ほしぞら情報2027年2月

火星が地球に最接近(2027年2月)

2022~2035年 最接近時の地球と火星
画像:中解像度(2000 x 2000) 高解像度(5500 x 5500)

約2年ぶりの火星観察のチャンス

夜空で赤っぽく輝く火星は、地球の一つ外側を公転する惑星です。火星の公転周期(注1)が687日(約1年11カ月)なのに対して、地球の公転周期は365日(1年)と短いため、約780日(約2年2カ月)ごとに地球が火星の内側を追い越していきます。この時に地球と火星の距離が最も近づくことから、火星は約2年2カ月ごとに観望の好機を迎えます。このチャンスが2月に訪れます。

2月20日、火星が地球に最接近

地球が円に近い楕円軌道で公転しているのに対して、火星はやや細長い楕円軌道で公転しています。このため軌道上のどの位置で地球と接近するかによって、その接近距離が異なります。今回の火星と地球の最接近は2月20日9時頃で、この時の火星と地球の間の距離は約1億142万キロメートル(注2)です。これは最接近としては遠めの距離となっています(注3)。また最接近の時の火星の視直径(注4)は約13.8秒角で、これはいわゆる「大接近」(注5)と呼ばれた2018年7月31日の最接近時の約24.3秒角と比べ、57パーセント程の大きさです。肉眼では火星の大きさを見分けられませんが、望遠鏡を使って見た場合には、大接近の頃と比較してかなり小さく見えることになります。

2月20日は火星が衝

20日に地球最接近となる火星は、同じ日に「衝(しょう)」を迎えます。「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことで、今回は20日1時頃と最接近と同じ日付です。衝の頃の火星は、太陽が沈む頃に東北東の空から昇って、日の出の頃に西北西の空に沈むため、ほぼ一晩中観察することができる時期となります。

また衝の前後は、火星が最も明るく見えます。2月16日から24日まで、マイナス1.3等の明るさを保ちます。今回は接近距離が遠いため、2018年のいわゆる大接近と呼ばれた際の明るさ(マイナス2.8等)よりはだいぶ暗めですし、またこの時期に火星のすぐ西側で輝く木星(およそマイナス2.5等)と比較しても暗めなのですが、赤っぽい色で輝くその姿はとても特徴的です。19日から21日にかけては、明るい月もそばに見られます(「月が木星、火星に接近(2027年2月)」参照)。赤っぽく輝く火星に注目して、ぜひ観察してみてください。

  • (注1)惑星などの天体が太陽の周りを1回転(1公転)する時間(期間)
  • (注2)地心距離で表した距離です。地心距離とは、地球の中心から対象天体(この場合は火星)の中心までの距離のことです。
  • (注3)2003年~2100年の最接近の中で、最も遠い距離です。また遠目の最接近のことを「小接近」と呼ぶことがあります。ただし、明確な定義はありません。
  • (注4)「視直径」とは、天体(この場合は火星)の見かけの直径のことで、度・分・秒の角度で表されます(1度=60分角、1分角=60秒角)。この解説ページでの視直径は、全て地心(地球の中心)からの値を用いています。今回の最接近時の火星は、最も大きく見える時でも約14秒角で、これは月の視直径(約30分角)の100分の1以下であり、肉眼で大きく見えるわけではありません。
  • (注5)「大接近」は慣例で用いられる名称で、特に明確な定義はありません。

参照:

  • 火星とは火星についての詳しい解説です。
  • 火星の接近火星が地球に接近することについての詳しい解説です。
  • 最接近一覧「2003年から2100年までの火星最接近」及び「2003年から2300年まで火星最接近 近距離ベスト20」の一覧です。
  • 火星 Q&A火星についてのQ&Aです。
  • 暦計算室ウェブサイト 国立天文台暦計算室の「こよみの計算 」では、各地の月の出入り時刻、惑星の出入り時刻などを調べることができます。また暦象年表の「太陽系天体の出入りと南中 」でも、各地の惑星の出入り時刻などを調べることができます。「今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。また「天象」では、惑星の衝や留などの日時を調べることができます。

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