ほしぞら情報2023年1月

月が火星に接近(2023年1月)

月が火星に接近 2023年1月3日から4日 18時頃 東京の星空
画像:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

月と火星の共演に注目!

1月上旬、日の入りから1時間ほどたち空が暗くなった頃、東の空には赤く輝く火星が見えています。2022年12月に地球に最接近したばかりの火星は約マイナス1等と明るく、よく目立っています。火星の近くにはオレンジ色をしたおうし座の1等星アルデバラン(0.9等)も見えています。アルデバランは火星よりもやや暗いものの、赤っぽい2つの星が近くで輝く様子は目を引くことでしょう。アルデバランの周辺は「ヒアデス星団」という星の集団です(アルデバランは星団には含まれていません)。 ヒアデス星団はおうし座の顔を形作る星団で、V字型に並んだ暗い星を中心に、肉眼で見ても星がまばらに群れている様子がわかります。また、プレアデス星団(すばる)も近くに見え、このあたりは双眼鏡で観察すると、見応えがあります。

1月3日には火星に満月前の明るい月が近づき、美しい眺めになります。明るい月が近くにあるときは、星団の星々を肉眼で見つけることは難しいかもしれません。双眼鏡などを使うと、より楽しむことができるでしょう。

月が火星に接近 2023年1月30日から2月1日 18時頃 東京の星空
画像:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

また、1月30日から31日にかけて、上弦過ぎの月が火星に近づきます。このころの火星の明るさは約0等です。月初に比べると、火星のあるおうし座は同じ時刻でも空のより高い位置に移動していることがわかります。これは地球の公転運動(太陽の周りを1年かけて1周する運動)により、毎日約4分ずつ星座の星々が早く昇ってきているためです。

月は地球の周りを約1カ月かけて公転しています。このため、地球から見ると月は西から東へと日々空を移動し、約1カ月かけて空を1周します。月も惑星も黄道(天球上の太陽の通り道)の近くに位置しているため、月と惑星の接近はしばしば起こります。

月と惑星の接近は決して珍しくはない現象ですが、月の形、惑星や星座の星々との位置関係、そして、見える時間帯等は毎回同じわけではありません。これからも一期一会の光景を楽しみましょう。

(参照)暦計算室ウェブサイト 今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。

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