ほしぞら情報2025年1月
金星と土星が接近(2025年1月)
夕方の空で金星と土星が接近する
1月の夕方、南西の空には、金星と土星の2つの惑星が見えています。太陽系の惑星は、それぞれが別々の速度で太陽の周りを公転しているため、星空の中での動きは異なって見られます。日の入り1時間後の空での2惑星の動きを比較すると、金星の高度はあまり変わりませんが、土星が徐々に高度を下げるように移動していきます。その結果、1月18日から19日にかけて、土星と金星がとても近づいて見られます。
金星と土星が最も近づくのは19日未明ですが、その頃は地平線の下にあって見ることができません。観察できる夕方の空では、18日と19日が最も近づいて見えます。両日とも離角(注) はほぼ同じで、約2.2度です。これは満月の見かけの直径(約0.5度)の約4倍の距離に相当します。
この時の2惑星の明るさは、金星のマイナス4.6等に対して土星は1.1等で、金星の方が200倍近くも明るく輝いています。実際の空では金星の輝きに目が奪われてしまいそうですが、ぜひすぐ近くにある土星も探してみてください。接近した様子は肉眼でも見られますが、双眼鏡を使うと同じ視野に2惑星が揃って見え、金星よりは暗い土星の光点もはっきりと確認できることでしょう。
- (注)天球上における2天体の見かけの距離のこと。角距離とも言い、角度で表されます。このページの離角は東京の値ですが、他の場所でもほとんど変わりません。
(参照)暦計算室ウェブサイト :「今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。金星と土星の位置を調べる際にもご利用ください。また、「こよみの計算 」では、各惑星の出入りの時刻を調べることができます。