ほしぞら情報2024年8月

スピカ食(2024年8月)

2024年8月10日スピカ食 各地での月とスピカの見え方
画像:中解像度(2000 x 2000) 高解像度(5500 x 5500)

おとめ座の1等星スピカが月に隠される

伝統的七夕の日でもある8月10日の夕刻、おとめ座の1等星スピカが月に隠される「スピカ食」が起こります。

今回、スピカ食が起こるのは東北地方南部と関東・中部地方より西側(南側)の地域です。東北地方北部や北海道ではスピカ食は起こらず、月とスピカの接近だけとなります。

この日の月は、半月よりも細く輝いています。そして、スピカは20時過ぎに、月の暗く見える側の縁(暗縁)から月に隠されます(潜入)(注) 。スピカは、月の輝いている部分からはやや離れたところで、突然消えるように見えなくなるでしょう。この現象は肉眼でも見られますが、双眼鏡や望遠鏡を使うと、より観察しやすいでしょう。 スピカが再び現れるのは(出現)、月の輝いている縁(明縁)からです。この時の様子は月の輝きに負けてしまい、肉眼では見づらいかもしれません。双眼鏡や望遠鏡を使うと観察しやすくなるでしょう。

なお、今回のスピカ食は、多くの地点で低空での現象となります。スピカと月が見える南西から西の方角がよくひらけた場所で観察するようにしましょう。

  • (注)月の暗い部分がほんのりと光っている様子が見えるかもしれません。これは地球照(ちきゅうしょう)と言って、地球が反射した太陽光が月面をほのかに照らしている現象です。
地点潜入時刻スピカの高度出現時刻スピカの高度
仙台20時29.8分7.3度20時38.2分5.8度
東京20時24.6分10.1度20時51.5分4.9度
京都20時20.5分14.1度20時51.0分8.3度
福岡20時13.0分20.1度20時52.4分12.7度
那覇20時12.1分25.9度21時13.5分13.3度

おもな都市における潜入と出現の時刻は、2024年8月10日スピカ食各地予報 をご覧ください。

月による掩蔽(星食)について

月は、地球の周りを公転しているため、地上から見ると星空を背景に東側へと少しずつ移動していきます。この時、月が背景にある天体を隠す現象のことを月による「掩蔽(えんぺい)」と言い、隠される対象が星(恒星)の場合は「星食」とも呼んでいます。星食は、天球上の月の通り道が近い黄道付近の恒星を対象としてしばしば起こり、1等星などの明るい恒星が対象となる場合は、肉眼でも観察できるチャンスとなります。今回対象となる恒星は、おとめ座の1等星スピカで、「スピカ食」とも呼ばれます。今年は、12月25日未明にもう一度スピカ食が起こります(北海道の大部分を除く地域で起こる)。

(参照)暦計算室ウェブサイト 今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。月やスピカの高度を調べる際にもご利用ください。

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