ほしぞら情報2024年5月
みずがめ座η(エータ)流星群が極大(2024年5月)
連休の頃、みずがめ座η(エータ)流星群を観察しよう!
みずがめ座η(エータ)流星群(注1)は、5月上旬の頃に活動(注2)する流星群です。母天体(注3)は、10月のオリオン座流星群と同じで、著名なハレー彗星(1P/Halley)です。南半球などでは放射点が高くなり、流星が多く見られる流星群として知られています。日本では放射点(注4)が低いうちに夜明けを迎えてしまうため、南半球ほど多くの流星を見ることはできませんが、毎年見られる主要な流星群の一つです。今年は月明かりの影響がほとんどなく、条件よく観察できそうです。
今年のみずがめ座η流星群の極大(注5)は、5月6日6時頃と予想されています。日本では昼間の時間帯で観察できませんが、この流星群の活発な期間は比較的長く続くため、5日と6日の夜明け前が見ごろとなりそうです。
観察に適した時間帯は短く、夜明け前の1時間半ほどで、およそ2時から3時半頃です(東京の場合)。最も多く見えるのは5日と6日それぞれ3時台で、実際に見える流星の数は、空の暗い場所で1時間あたり5個から10個程度(注6)と予想されます。またこの半分くらいの流星が流れる期間は5月3日から8日頃まで続きますので、天気の様子も気にしながら晴れた日に観察してみましょう。
流星は、放射点を中心に放射状に出現します。ただ、放射点付近だけでなくどちらの方向にも現れますので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。みずがめ座η流星群では、放射点があまり高くならず、経路が長く見える流星が比較的目立ちます。 観察する際には、屋外の暗さに目が慣れるまで最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。観察に適した明け方の時間帯は冷え込みますので、寒さへの対策も忘れないでください。事故に遭わないように十分注意し、マナーを守って観察をしてください。
- (注1)流星群の名前に使われているギリシャ文字の「η」は、ここで使用している「エータ」の他に「イータ」と読む場合もあります。
- (注2)「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。
- (注3)「母天体」とは、その流星群の元となるチリ(流星体)を放出した天体のことを指します。多くの場合、彗星(すいせい)ですが、母天体が小惑星である流星群もあります。
- (注4)「放射点」とは、流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点です。流星は放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。放射点が地平線の下にある時間帯には流星の出現は期待できません。また、放射点は概念上のものですので、目で見てそこに何かが見えるわけではありません。
- (注5)流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。
- (注6)街明かりの中で観察した場合には、見ることのできる流星の数は何分の1かに減ってしまうことがあります。一方、目のよい人や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。
参照:
- 流星群:流星群とはどのような現象かを解説しています。
- 流星群の観察方法:流星群の観察方法について解説しています。
- 暦計算室ウェブサイト :国立天文台暦計算室の「こよみの計算 」では、各地の日の出入り時刻、月の出入り時刻などを調べることができます。代表的な都市での星空や惑星、月の見え方は、「今日のほしぞら 」で調べることができます。