ほしぞら情報2024年1月
しぶんぎ座流星群が極大(2024年1月)

年始めのしぶんぎ座流星群を観察しよう!
しぶんぎ座流星群(注1)は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群と呼ばれています。ただし、毎年安定して多くの流星が出現するペルセウス座流星群やふたご座流星群と比べると、しぶんぎ座流星群は、活動(注2)が活発な期間が短いことや、年によって出現数が変化しやすいことから、流星が多く見える年は限られます。
今年のしぶんぎ座流星群の極大(注3)は、1月4日18時頃と予想されています。この時間帯は、日本では放射点(注4)が昇っていないか、昇っていても大変低い位置なので、観察に向いていません。放射点が高くなる4日未明と5日未明が見ごろとなりそうです。
観察に適した時間は、4日と5日のそれぞれ1時から5時頃です(東京の場合)。4日は放射点が高くなるにつれて流星が増えて、5時頃が最も多く見えるでしょう。5時頃に実際に見える流星の数は、空の暗い場所で1時間あたり約10個(注5)です。5日は、極大を過ぎて流星数が減る効果と、放射点が高くなって流星数が増える効果がつり合い、2時から5時まで前日とほぼ同じくらいの流星数となりそうです。空の暗い場所では、やはり1時間あたり10個程度(注5)と予想されます。なお両日とも月明かりの影響を受けますので、月のない方向の空を見るなどの工夫をして観察に臨んでください。
流星は、放射点を中心に放射状に出現します。ただ、放射点付近だけでなく、どちらの方向にも現れますので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。また、屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。たいへん寒い季節ですので、寒さ対策をしっかりおこなってください。事故に遭わないように十分注意し、マナーを守って観察をしてください。
- (注1)流星群の名前に使われている「しぶんぎ座」は、現在では存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来します。現在の星座で言うと「うしかい座」と「りゅう座」の境界あたりです。
- (注2)「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。
- (注3)流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。
- (注4)「放射点」とは、流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点です。流星は放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。放射点が地平線の下にある時間帯には流星の出現は期待できません。また、放射点は概念上のものですので、目で見てそこに何かが見えるわけではありません。
- (注5)街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察したりした場合には、見ることのできる流星の数は何分の1かに減ってしまうことがあります。一方、目のよい人や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。また、しぶんぎ座流星群は年によって流星数が変化するため、予想数よりも増減することがあります。