ほしぞら情報2023年4月
日本の一部地域で部分日食(2023年4月)
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関東以西の一部地域で部分日食

日食とは、月が太陽の前を横切るため、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象です。4月20日の午後、日本の一部地域で部分日食が起こります。この日食では、インド洋、オーストラリア、東ティモール、インドネシア、太平洋、それぞれの一部地域では皆既食が、またインド洋と太平洋のごく一部の地域では金環食が起こります(注1)。またインド洋、アジア、オセアニア、太平洋、南極、それぞれの一部地域では部分食が起こり、日本の一部がこの範囲に含まれます。
- (注1)日食全体としては「金環皆既日食」に分類されます。
日本で部分日食が起こるのは、南西諸島、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部から関東地方南部にかけての地域、伊豆諸島、小笠原諸島です。
日本国内のおもな地点における日食の予報
地名 | 食の始め | 食の最大 | 食分(注2) | 面積比(注3) | 食の終わり |
---|---|---|---|---|---|
那覇 | 13時35分38秒 | 14時21分15秒 | 0.150 | 0.068 | 15時05分30秒 |
鹿児島 | 14時09分22秒 | 14時29分08秒 | 0.029 | 0.006 | 14時48分49秒 |
四万十 | 14時19分50秒 | 14時32分43秒 | 0.013 | 0.002 | 14時45分42秒 |
新宮 | 14時21分11秒 | 14時36分26秒 | 0.019 | 0.003 | 14時51分42秒 |
館山 | 14時30分22秒 | 14時40分43秒 | 0.009 | 0.001 | 14時51分13秒 |
小笠原 | 13時45分05秒 | 14時40分47秒 | 0.271 | 0.162 | 15時32分54秒 |
上記以外の地点の予報は、国立天文台暦計算室の「日食各地予報 」をご覧ください。
正しい方法で安全に観察しよう
太陽は、たいへん強い光と熱を出している天体です。そのため、肉眼で直接太陽を見ると、たとえ短い時間であっても目を痛めてしまいます。太陽が欠けていても、また、地平線に近づいて光が穏やかになったように感じても、光と熱が強烈であることには変わりありません。安全な方法で観察しなければ、最悪の場合は失明する危険性があります。日食グラスなど専用の観察器具を正しく使って、安全な方法で観察してください。
絶対にやってはいけないこと
下記のようなことは、目を痛めますので絶対にやってはいけません。
見た目ではあまりまぶしく感じなくても、光の遮断が不十分なものや目に有害な波長の光を通しやすいものを使うと、網膜を損傷してしまう危険性があります。(写真は、実際には太陽を見ないようにして撮影したものです)







- (注4) 望遠鏡や双眼鏡は、太陽の光や熱を集めて強くするため、肉眼で太陽を見る以上に危険ですが、専門家によって適切な減光を施された双眼鏡や望遠鏡は、日食観察に用いることができます。
- (注5) 太陽観察に対応した下敷きも販売されています。
- (注6) 専門家によって、銀塩の白黒フィルムを適切に露光・現像して作られたネガは、日食観察に用いることができます。
安全な観察方法
日食を安全に観察するには、「ピンホールを利用する」、「日食専用のグラスや遮光板を使う」、「望遠鏡を使って太陽投影板に投影する」などの方法があります。詳しい観察方法につきましては「観察のしかた」の「安全な観察方法」をご覧ください。
前回の日食・次回の日食
前回日本で日食が起こったのは2020年6月21日でした。次に日本で日食が起こるのは2030年6月1日です。このときは日本全国で部分食となり、北海道の大部分では金環食となります。
参照:
- 日食とは:日食についての基本的な解説です。
- 観察のしかた:日食の安全な観察方法について解説しています。
- 日食一覧:2010年から2035年に起こる日食の一覧です。
- 日食各地予報:日食の起こる日時やそれぞれの場所での見え方を調べることができます。
ライブ配信
国立天文台では石垣島天文台から部分日食のライブ配信を予定しています。
報道関係の方へ(2023年4月10日追加)
おもに報道機関の方向けに、今回の部分日食に関する情報をまとめた資料を作成しました。お問い合わせの前に、この資料をご参照いただけると助かります。
2023年4月20日 日食(金環皆既日食)解説資料
キャプション、音声なしの動画を用意しました。ご活用ください。
2023年4月20日部分日食動画(石垣島天文台で撮影)