ほしぞら情報2023年4月

日本の一部地域で部分日食(2023年4月)

速報画像・動画

石垣島における食の最大頃の部分日食
石垣島における食の最大頃の部分日食(撮影時刻:2023年4月20日14時14分頃、撮影場所:石垣島天文台)(クレジット:国立天文台) 画像:オリジナルサイズ(3840 x 2160)
石垣島天文台から部分日食を撮影しました。食の最大の14:14の前後を短いクリップに切り出しました

関東以西の一部地域で部分日食

2023年4月20日の部分日食
画像:中解像度(2000 x 2000) 高解像度(5500 x 5500)

日食とは、月が太陽の前を横切るため、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象です。4月20日の午後、日本の一部地域で部分日食が起こります。この日食では、インド洋、オーストラリア、東ティモール、インドネシア、太平洋、それぞれの一部地域では皆既食が、またインド洋と太平洋のごく一部の地域では金環食が起こります(注1)。またインド洋、アジア、オセアニア、太平洋、南極、それぞれの一部地域では部分食が起こり、日本の一部がこの範囲に含まれます。

  • (注1)日食全体としては「金環皆既日食」に分類されます。

日本で部分日食が起こるのは、南西諸島、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部から関東地方南部にかけての地域、伊豆諸島、小笠原諸島です。

日本国内のおもな地点における日食の予報

主な地点での日食予報
地名食の始め食の最大食分(注2)面積比(注3)食の終わり
那覇13時35分38秒14時21分15秒0.1500.06815時05分30秒
鹿児島14時09分22秒14時29分08秒0.0290.00614時48分49秒
四万十14時19分50秒14時32分43秒0.0130.00214時45分42秒
新宮14時21分11秒14時36分26秒0.0190.00314時51分42秒
館山14時30分22秒14時40分43秒0.0090.00114時51分13秒
小笠原13時45分05秒14時40分47秒0.2710.16215時32分54秒
  • (注2)食分:月によって覆われた太陽の直径の度合い。
  • (注3)面積比:月によって覆われた太陽の面積の割合。

上記以外の地点の予報は、国立天文台暦計算室の「日食各地予報 」をご覧ください。

正しい方法で安全に観察しよう

太陽は、たいへん強い光と熱を出している天体です。そのため、肉眼で直接太陽を見ると、たとえ短い時間であっても目を痛めてしまいます。太陽が欠けていても、また、地平線に近づいて光が穏やかになったように感じても、光と熱が強烈であることには変わりありません。安全な方法で観察しなければ、最悪の場合は失明する危険性があります。日食グラスなど専用の観察器具を正しく使って、安全な方法で観察してください。

絶対にやってはいけないこと

下記のようなことは、目を痛めますので絶対にやってはいけません。

見た目ではあまりまぶしく感じなくても、光の遮断が不十分なものや目に有害な波長の光を通しやすいものを使うと、網膜を損傷してしまう危険性があります。(写真は、実際には太陽を見ないようにして撮影したものです)

太陽を直接見る様子
肉眼で直接見る(数秒でも危険)
望遠鏡で太陽を観察している様子
望遠鏡や双眼鏡を使う (注4)
日食グラスを使って望遠鏡や双眼鏡を覗いている様子
日食グラスを使って望遠鏡や双眼鏡をのぞく
下敷きで太陽を観察している様子
色つき下敷きやCDを使う (注5)
サングラスで太陽を観察している様子
サングラスやゴーグルを使う
フィルムの切れ端で太陽を観察している様子
フィルムの切れ端を使う (注6)
すすを付けたガラス板で太陽を観察している様子
すすを付けたガラス板を使う
  • (注4) 望遠鏡や双眼鏡は、太陽の光や熱を集めて強くするため、肉眼で太陽を見る以上に危険ですが、専門家によって適切な減光を施された双眼鏡や望遠鏡は、日食観察に用いることができます。
  • (注5) 太陽観察に対応した下敷きも販売されています。
  • (注6) 専門家によって、銀塩の白黒フィルムを適切に露光・現像して作られたネガは、日食観察に用いることができます。

安全な観察方法

日食を安全に観察するには、「ピンホールを利用する」、「日食専用のグラスや遮光板を使う」、「望遠鏡を使って太陽投影板に投影する」などの方法があります。詳しい観察方法につきましては「観察のしかた」の「安全な観察方法」をご覧ください。

前回の日食・次回の日食

前回日本で日食が起こったのは2020年6月21日でした。次に日本で日食が起こるのは2030年6月1日です。このときは日本全国で部分食となり、北海道の大部分では金環食となります。

参照:

  • 日食とは日食についての基本的な解説です。
  • 観察のしかた日食の安全な観察方法について解説しています。
  • 日食一覧2010年から2035年に起こる日食の一覧です。
  • 日食各地予報日食の起こる日時やそれぞれの場所での見え方を調べることができます。

ライブ配信

国立天文台では石垣島天文台から部分日食のライブ配信を予定しています。

YouTubeで視聴する

報道関係の方へ(2023年4月10日追加)

おもに報道機関の方向けに、今回の部分日食に関する情報をまとめた資料を作成しました。お問い合わせの前に、この資料をご参照いただけると助かります。
2023年4月20日 日食(金環皆既日食)解説資料

キャプション、音声なしの動画を用意しました。ご活用ください。
2023年4月20日部分日食動画(石垣島天文台で撮影)

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