ほしぞら情報2023年2月
2023年 地球から最も遠い満月(2023年2月)

地球から遠い満月、近い満月はなぜ起こる
2月6日の満月は、2023年で地球から最も遠い満月です。
月は2月4日17時55分に遠地点(注1)を通過し、6日の3時29分に満月となります。満月のときの地心距離(注2)は約40万6000キロメートル、月の視直径(注3)は約29分26秒角です。

地球の周りを公転する月の軌道は楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。さらに、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化しています。そのため、満月や新月のときの距離は、上の図のように毎回異なります。
今年最も地球に近い満月は8月31日で、この時の地球からの距離は約35万7000キロメートル、月の視直径は約33分26秒角です。今回の満月は、8月31日の満月に比べて視直径が約12パーセント小さい(面積は約22パーセント少ない)のですが、実際の夜空に月を二つ並べて比較することはできないため、夜空の月を眺めただけで大きさや明るさの違いに気づくのは難しいでしょう。
ところで、地球に近い満月に対して「スーパームーン」という名称がよく聞かれます。名称をきっかけに興味を持ち、月や夜空を眺めてみたという方もいらっしゃるでしょう。そこからさらに、どのようにしてこのようなことが起こるのか、など考えを膨らますと、新しい楽しみが生まれるかもしれませんね。
- (注1)近地点・遠地点:1公転の間で月が地球に最も近づく点を「近地点」地球から最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。
- (注2)地心距離:地球の中心と天体の中心(この場合は月の中心)の間の距離。実際には私たちは地表から月を見ているため、地心距離が同じであれば、頭の真上近くに見える月は地平線近くに見える月よりも、地球の半径分(約6400キロメートル)私たちに近いことになります。
- (注3)視直径:天体の見かけの大きさで、角度で表します。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。
参照:
- 暦計算室ウェブサイト:「月食各地予報」
- 国立天文台「よくある質問 質問2-7)「スーパームーン」ってなに?」