ほしぞら情報2023年2月

火星と冬の星空(2023年2月)

火星と冬の星空 2023年2月28日 19時 東京の星空
画像:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

冬の1等星を探してみよう

昨年(2022年)12月1日に地球に最接近した火星は、0等前後とまだまだ明るく、大変目につく存在です。日の入りから1時間半ほど経って空がすっかり暗くなった頃、火星は天頂(頭の真上)近くの、冬の星座の中に見えています。

冬の星空には、オリオン座のベテルギウスとリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバランと、多くの1等星が見えています。星図を頼りに、1等星や星座を探してみてはいかがでしょう。

火星を肉眼で見ると、他の星と比べて赤い色をしていることがわかります。これは、火星表面の土に含まれる鉄が酸化しているためで、いわば「鉄の赤さび」の色です。

一方、火星のまわりの星座を形作る星たちは、核融合反応で自ら光を放つ太陽のような「恒星」ですが、火星よりはるか遠くにあるため、火星と同じくらいの明るさに見えます。その中で、アルデバランやベテルギウスは、表面温度が、4000度程度と恒星の中では低いために赤く見えます。赤く見える理由は違いますが、これら2つの恒星と、近くにある火星の赤さを比べてみるのは、今だけの楽しみでしょう。

月の光に負けない火星を見よう

28日には火星に月が近づきます。月は前日の27日に上弦となり、3月7日の満月に向かって明るさを増しています。明るく輝く月の近くで、月の光に負けずに小さな光を放つ火星を見てみましょう。

(参照)暦計算室ウェブサイト 今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。

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