自然科学研究機構 国立天文台

メニュー

検索

アルマ望遠鏡

アルマ望遠鏡とは

アルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)は南米チリ共和国北部、標高5000メートルのアタカマ砂漠に建設された電波干渉計です。2011年に科学観測を開始し、日本を含む東アジア、北米、欧州南天天文台の加盟国と建設地のチリを合わせた22の国と地域が協力して運用しています。アルマ望遠鏡は小さな望遠鏡を広い場所にたくさん並べ、それらを連動させて1つの巨大な望遠鏡として機能させる「干渉計」と呼ばれる仕組みを使っており、口径12メートルのパラボラアンテナ54台と口径7メートルのパラボラアンテナ12台の、合計66台を結合させることで、1つの巨大な電波望遠鏡を作りだしています。

日本は計画全体のおよそ4分の1の貢献をしており、パラボラアンテナは66台のうちの16台、電波をとらえる受信機は10種類のうち3種類を開発しました。日本製の16台のアンテナで集められた信号を処理するためのスーパーコンピュータも、日本が開発したものです。アルマ望遠鏡には、日本の最先端技術が惜しみなく投入されています。

アルマ望遠鏡

研究

アルマ望遠鏡は、人間の目には見えない電波(波長数ミリメートルの「ミリ波」やそれより波長の短い「サブミリ波」)を観測します。光を出さない極低温のガスや塵(ちり)から発せられるミリ波・サブミリ波を観測することで、ガスや塵の分布や動き・性質などを調べることができます。ガスや塵は恒星や惑星の材料であるため、恒星や惑星がどのようにして生まれるのか、それらの集合体である銀河がどのように生まれ、進化してきたのかを調べる研究がアルマ望遠鏡を使って盛んにおこなわれています。さらに、宇宙を漂うガスの成分を調べ、生命の起源に関連するアミノ酸のような有機分子を探索する研究も進められています。視力6000に相当する高い分解能と、従来の電波望遠鏡を100倍上回る高い感度で、アルマ望遠鏡は「私たちの起源」を宇宙に探ります。

スペック

北米製アルマ望遠鏡12メートルアンテナ
北米製12メートルアンテナ
主な製造メーカー:General Dynamics (Vertex Antennentechnik)
日本製アルマ望遠鏡12メートルアンテナ
日本製12メートルアンテナ
主な製造メーカー:三菱電機株式会社
欧州製アルマ望遠鏡12メートルアンテナ
欧州製12メートルアンテナ
主な製造メーカー:AEM Consortium (Thales Alenia Space, European Industrial Engineering, MT-Mechatronics)
所在地チリ共和国、アタカマ砂漠(チャナントール高原、標高5000メートル)
口径12メートル、7メートル
波長ミリ波、サブミリ波
アンテナ展開範囲最大16.2キロメートル
最高解像度0.01秒角

歴史

1983年(昭和58年)アルマ望遠鏡計画の源流となる、「大型ミリ波干渉計(Large Millimeter Array: LMA)」構想の立案
2001年(平成13年)4月日本、アメリカ、ヨーロッパが共同してアルマ望遠鏡を建設することを決議
2002年(平成14年)3月アルマ望遠鏡に先駆けて南天のサブミリ波観測を行うため、アルマ望遠鏡建設予定地近くに口径10メートルのアステ望遠鏡を設置
2003年(平成15年)11月起工式を開催
2004年(平成16年)9月アルマ望遠鏡の共同建設開始建設に日本が正式参加。正式名称が Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(アルマ望遠鏡)に決定。
2010年(平成22年)1月試験観測開始
2010年(平成22年)3月日本製アンテナの愛称が「いざよい(十六夜)」に決定
2011年(平成23年)9月16台のアンテナで初期科学観測開始
2013年(平成25年)3月開所式を挙行、本格運用に移行
2014年(平成26年)6月全アンテナ66台の山頂施設設置が完了

アルマ望遠鏡を構成する66台のアンテナのなかで、日本が開発した16台のアンテナ群(愛称:いざよい)と受信機、相関器からなるシステムを、「アタカマコンパクトアレイ(愛称:モリタアレイ)」と呼びます。たくさんのアンテナを連動させて、巨大な1つの望遠鏡とする「干渉計」方式の電波望遠鏡では、アンテナの間隔を広げれば広げるほど解像度が上がりますが、逆に視野は狭くなります。逆に、大きく広がった天体を広い視野で観測するためには、アンテナの間隔を小さくする必要があります。モリタアレイは、口径の小さなアンテナを狭い範囲にまとめることで、それを実現しました。 モリタアレイの名は、その設計に大きな貢献を残した、故・森田耕一郎 国立天文台教授にちなんでつけられたものです。