チリ観測所とは
アルマ望遠鏡は、日本を含む東アジア、北米、欧州南天天文台加盟国およびチリの国際協力によってチリに建設された巨大電波望遠鏡です。口径12メートルおよび7メートルの合計66台のパラボラを組み合わせ、ミリ波やサブミリ波という波長の短い電波で天体を観測します。アルマ望遠鏡を完成させてその科学運用をしっかり支え、そこから素晴らしい科学的成果を生み出すため、チリ観測所は2012年4月に発足しました。2019年1月にチリ観測所とアルマプロジェクトが分離し、現在のチリ観測所は国際組織である合同アルマ観測所(Joint ALMA Observatory: JAO)に所属する国立天文台の研究者の活動を支援するとともに、チリ現地でのアルマ望遠鏡及びASTE望遠鏡(Atacama Submillimeter Telescope Experiment、アタカマサブミリ波望遠鏡実験)の運用を円滑に進めることを目的としています。
観測画像
アルマ望遠鏡が超高解像度で撮影した、若い星うみへび座TW星の周囲の塵円盤。円盤に見える複数の暗い隙間は、ここで惑星が作られている可能性を示している。中央部には、地球軌道とほぼ同じ大きさの隙間も見えているほか、円盤の南西側(図右下側)に小さな電波源も見えている。(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Tsukagoshi et al.)
おもな望遠鏡
アルマ望遠鏡
チリ・アンデスの標高5000メートル地点に建設されたアルマ望遠鏡は、66台のアンテナを最大で16キロメートルの範囲に展開し、「視力6000」に相当する圧倒的な解像度で惑星の誕生・銀河の誕生・宇宙における物質進化の謎に挑んでいます。
ASTE望遠鏡
アルマ望遠鏡のすぐ近く、チリ・アンデスの標高4800メートル地点に設置された口径10メートルの電波望遠鏡です。2004年に科学観測を開始した南半球初の本格的サブミリ波望遠鏡として、星形成領域や遠方銀河の観測でさまざまな成果を挙げています。また新しい観測装置や観測手法の開発実証基盤としても、国内外の多くの研究者に利用されています。