ハワイ観測所とは
ハワイ観測所では、可視光から中間赤外線にかけての観測に用いるすばる望遠鏡を運用しています。
世界最大級の口径8.2メートルの望遠鏡は、観測条件のすぐれたハワイ島マウナケア山頂域に設置され、10を超える国々が運用する様々な観測施設の一員として、発見競争にしのぎを削るとともに研究協力をも進めています。共同利用観測には世界中から天文学者がやってきますし、新しい観測装置作りも国際共同で進められています。星や惑星の誕生と進化のプロセス、その大きな集まりとしての銀河の歴史、さらに現在の観測手段では見えない暗黒物質や暗黒エネルギーといった、誰でも不思議に思うテーマが研究の推進力につながっています。
望遠鏡のおひろめから四半世紀になりますが、いっそうの成果が挙げられるよう、現場のスタッフは昼も夜もそれぞれの持ち場で力を尽くしています。恒星のように熱いものから、宇宙初期の物語を伝える低温の放射まで、宇宙との対峙が続きます。皆さんが毎晩見上げる空とつながっているハワイの空からの発見を、ウェブサイトの成果発表などでご覧ください。
すばる望遠鏡と観測画像
すばる望遠鏡は、可視光から赤外線の広い範囲にわたる電磁波(波長0.3~30マイクロメートル)を捉えて、鮮明な画像をもたらします。特徴のある複数の観測装置のおかげで遠くの天体の光も分光し、さまざまな測定をすることができます。
爆発的星生成が起きている銀河 NGC 6240 の擬似カラー画像。その星生成率は銀河系の25 ~80倍程度とされています。この画像はすばる望遠鏡主焦点カメラSuprime-Cam(シュプリーム・カム)で得られた B、R、Hα輝線(電離水素が放つ光)バンドフィルターの画像に青、緑、赤を割り当てて合成しました。銀河から吹き出す巨大な電離ガスが赤く見えています。(クレジット:広島大学/国立天文台)。