すばる望遠鏡とは
すばる望遠鏡は、ハワイ島マウナケア山頂域に設置された大型光学赤外線望遠鏡です。主鏡は単一鏡としては世界最大級の8.2メートルの口径をもち、その強力な集光力で天体からの微弱な光も捉えることが可能です。その主焦点は、他の大型望遠鏡に比べて圧倒的な視野の広さを誇っており、すばる望遠鏡の大きな特徴となっています。また、高性能な補償光学装置など、集めた光からシャープな天体像を得るためにさまざまな工夫が施されており、すばる望遠鏡の解像力の高さは世界の大型望遠鏡の中でも特に高く評価されています。これらの性能は、望遠鏡を設置する場所を慎重に選び、最新の技術を駆使することによって実現されたと言えます。
スペック
所在地 | アメリカ合衆国、ハワイ島マウナケア(標高4139メートル) |
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主な製造メーカー | 三菱電機株式会社 他 |
主鏡有効口径 | 8.2メートル |
主な観測装置 | 主焦点の装置 :超広視野主焦点カメラ HSC (Hyper Suprime-Cam) ナスミス焦点の装置(可視光):高分散分光器 HDS (High Dispersion Spectrograph) ナスミス焦点の装置(赤外線):近赤外線分光撮像装置 IRCS(Infrared Camera and Spectrograph)、188 素子波面補償光学装置 AO(Adaptive Optics) カセグレン焦点の装置 :多天体近赤外撮像分光装置 MOIRCS(Multi-Object Infrared Camera and Spectrograph)、微光天体分光撮像装置 FOCAS(Faint Object Camera And Spectrograph) |
特徴 | 主焦点、カセグレン焦点、2つのナスミス焦点の4つの焦点を持つ。8メートル級望遠鏡で主焦点を持つのは「すばる」のみ。 |
歴史
1991年(平成3年)4月 | 大型光学赤外線望遠鏡計画が正式に発足。望遠鏡の建設開始。主鏡材の製作と総合設計を開始。望遠鏡の愛称を日本全国から公募 |
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1999年(平成11年)1月 | ファーストライト(試験観測開始) |
2000年(平成12年)12月 | 共同利用観測開始 |
2006年(平成18年)2月 | 多天体近赤外撮像分光装置MOIRCS利用開始 |
2006年(平成18年)11月 | レーザーガイド補償光学のファーストライト |
2010年(平成22年)11月 | ファイバー多天体分光器FMOSのファーストライト |
2013年(平成25年)7月 | 超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Camのファーストライト |