すばる望遠鏡

すばる望遠鏡とは

すばる望遠鏡は、ハワイ島マウナケア山頂域に設置された大型光学赤外線望遠鏡です。主鏡は単一鏡としては世界最大級の8.2メートルの口径をもち、その強力な集光力で天体からの微弱な光も捉えることが可能です。その主焦点は、他の大型望遠鏡に比べて圧倒的な視野の広さを誇っており、すばる望遠鏡の大きな特徴となっています。また、高性能な補償光学装置など、集めた光からシャープな天体像を得るためにさまざまな工夫が施されており、すばる望遠鏡の解像力の高さは世界の大型望遠鏡の中でも特に高く評価されています。これらの性能は、望遠鏡を設置する場所を慎重に選び、最新の技術を駆使することによって実現されたと言えます。

すばる望遠鏡

研究

近くは流れ星から、遠くは131億光年彼方の銀河まで、これまでにすばる望遠鏡が観測の対象とした天体はさまざまです。他の8メートル級望遠鏡に比べて広い視野を誇る主焦点カメラなど、すばる望遠鏡が持つ多彩な装置によって得られた観測データは、日本だけでなく、世界中の研究者によって使われてきました。これらの観測データは広く一般にも公開されており、高校生や大学生による教育利用など、さまざまな用途にも用いられています。運用が開始されてからすでに25年以上が経過しましたが、依然として第一線で活躍し続ける、日本の誇る望遠鏡です。

スペック

所在地アメリカ合衆国、ハワイ島マウナケア(標高4139メートル)
主な製造メーカー三菱電機株式会社 他
主鏡有効口径8.2メートル
主な観測装置主焦点の装置 :超広視野主焦点カメラ HSC (Hyper Suprime-Cam)
ナスミス焦点の装置(可視光):高分散分光器 HDS (High Dispersion Spectrograph)
ナスミス焦点の装置(赤外線):近赤外線分光撮像装置 IRCS(Infrared Camera and Spectrograph)、188 素子波面補償光学装置 AO(Adaptive Optics)
カセグレン焦点の装置 :多天体近赤外撮像分光装置 MOIRCS(Multi-Object Infrared Camera and Spectrograph)、微光天体分光撮像装置 FOCAS(Faint Object Camera And Spectrograph)
特徴主焦点、カセグレン焦点、2つのナスミス焦点の4つの焦点を持つ。8メートル級望遠鏡で主焦点を持つのは「すばる」のみ。

歴史

1991年(平成3年)4月大型光学赤外線望遠鏡計画が正式に発足。望遠鏡の建設開始。主鏡材の製作と総合設計を開始。望遠鏡の愛称を日本全国から公募
1999年(平成11年)1月ファーストライト(試験観測開始)
2000年(平成12年)12月共同利用観測開始
2006年(平成18年)2月 多天体近赤外撮像分光装置MOIRCS利用開始
2006年(平成18年)11月レーザーガイド補償光学のファーストライト
2010年(平成22年)11月ファイバー多天体分光器FMOSのファーストライト
2013年(平成25年)7月超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Camのファーストライト

関連プロジェクト

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