自然科学研究機構 国立天文台

巨大氷惑星の形成現場を捉えた〜アルマ望遠鏡で見つけた海王星サイズの惑星形成の証拠〜

研究成果

アルマ望遠鏡による観測によって得られたうみへび座TW星の画像
アルマ望遠鏡による観測によって得られたうみへび座TW星の画像。星を取り巻く塵の円盤に、隙間が存在していることがわかる。オリジナルサイズ(1.8MB)

近年、太陽以外の星のまわりにも、多様性に富む数多くの惑星が発見されてきました。しかし、それらの形成過程は謎のままであり、天王星・海王星のような巨大氷惑星の形成過程も、いまだによく分かっていません。

うみへび座TW星は、年齢が約1000万歳と若く、星のまわりには塵とガスの円盤があると知られています。茨城大学の塚越崇 助教を中心とする研究チームは今回、円盤内の塵が放つ電波をアルマ望遠鏡で捉え、円盤のようすを詳しく描き出すことに成功しました。円盤には何本かの暗い隙間が刻まれており、特に半径22天文単位の隙間では、周囲に比べて小さな塵が豊富に存在することがわかりました。理論的研究から、円盤内に惑星が存在すると、こうした特徴が現れることが提唱されており、今回の観測成果はこの理論予測と合致します。隙間の特徴を考慮すると、ここには海王星程度の大きさの惑星ができていると考えられます。この発見により、どんな大きさの惑星が、どこでいつごろ作られるかが明らかにできると期待されます。

この研究成果は、日本天文学会2016年秋季年会の以下の講演にて発表されます。
星惑星形成 P124a 「TW Hyaの原始惑星系円盤に対するALMAを用いた高分解能多周波観測」塚越 祟(茨城大学)ほか

この研究成果は、“Tsukagoshi et al. A Gap with a Deficit of Large Grains in the Protoplanetary Disk around TW Hya” として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に受理されました。

この研究は、日本学術振興会科学研究費補助金(No. 24103504, 23103004, 23103005, 25400229, 26800106, 15H02074, 16K17661)、ポーランド国立科学センター(MAESTRO grant DEC-2012/06/A/ST9/00276)からの支援を受けて行われました。

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