よくある質問
- 火星が接近するってどういうことですか?
- 今回の大接近は何年ぶりですか?次に大接近するのはいつですか?
- 接近の時の火星の見え方について教えてください。
- 火星が見えるのは最接近の時(7月31日)だけですか?
- 望遠鏡で火星を見るにはどうしたらよいですか?
- 火星の写真は撮れますか?
- 火星大接近の時、国立天文台で計画していることはありますか?
- 今回の接近もスーパーマーズと呼ぶのですか?
- 火星が普段より近づくと、地球に何か影響がありますか?
火星が接近するってどういうことですか?
火星が接近するというと、あたかも火星が地球に向かって近づいてくるようなイメージを持つ人がいますが、そうではありません。火星は地球のひとつ外側を公転している惑星で、2年2カ月ごとに、地球に追い越される際、二つの天体の間の距離が近くなるのです。詳しくは天文情報・基礎知識ページ「火星の接近」をご覧ください。
今回の大接近は何年ぶりですか?次に大接近するのはいつですか?
地球と火星の公転周期の関係から、地球と火星の接近は2年2カ月ごとに起こります。そのうち、火星の軌道と地球の軌道が最も近くなるあたりで起こる接近を慣例的に「大接近」と呼びます。今回の最接近は2018年7月31日16時50分で、その時の距離は5759万キロメートルです。地球と火星の最接近時の距離が6000万キロメートルより近づくのは2003年以来15年ぶりで、次に今回より近づくのは、2035年になります。詳しくは天文情報・基礎知識ページ「最接近一覧」をご覧ください。
接近の時の火星の見え方について教えてください。
火星と地球が遠く離れている間は、火星は2等級ほどで、夜空でそれほど目立って明るくは見えません。しかし2018年の1月から最接近頃の8月にかけて火星はどんどん明るくなり、最接近の前後数週間は、マイナス2等級を超えて輝く時期が続きます。望遠鏡で眺めたときの大きさもどんどん大きくなり、最接近の前後数週間は、表面の模様を観察するチャンスとなります。解説ページ「どこに見える?」に、2018年7月から12月にかけての火星の位置や見え方が詳しく解説されていますので参考にしてください。
火星が見えるのは最接近の時(7月31日)だけですか?
そのようなことはありません。最接近の前後数カ月間は、火星の見頃が続きます。7月から8月にかけての宵空では、東の空に昇ってきたばかりの火星がひときわ明るく輝いています。その後火星の昇る時刻は徐々に早くなり、9月以降10月くらいまでは、南の空高いところで輝く火星を楽しむことができます。詳しくは、解説ページ「どこに見える?」をご覧ください。
望遠鏡で火星を見るにはどうしたらよいですか?
望遠鏡で火星を見るときの観察ポイントについては、解説ページ「望遠鏡で火星を観察しよう!」に紹介されています。望遠鏡をこれから購入するのであれば、天体望遠鏡を扱っている売り場の係の人に相談してみましょう。また、各地の科学館や公開天文台などでは、定期的に観望会を開いていたり、今回のような接近時には、特別な観望会を計画していたりする場合もあります。パオナビなどの情報ページを参考に調べてみましょう。
火星の写真は撮れますか?
接近時の火星は夜空でも大変明るくなっています。スマートフォンやタブレット端末のカメラでも、最近は感度が良くなっているので、おそらく光の点として写るでしょう。
しかし、表面のようすを写すためには、望遠鏡が必要です。望遠鏡で天体を撮影するには、専用の機器やそれなりのテクニックが必要となりますので、天文雑誌を参考にしたり、詳しい人に相談したりしながら挑戦してみましょう。
火星大接近の時、国立天文台で計画していることはありますか?
今のところ特別な観望会は予定していません。
東京都にあります国立天文台三鷹キャンパスでは、50センチ公開望遠鏡による定例観望会を月2回行っています。火星が対象天体になる回もあるかもしれませんが、来年度のスケジュールは未定ですので、いつかということはまだ分かりません。2018年度のスケジュールは2018年1月頃に決定する予定です。
また、表面の様子を詳しく撮影するチャンスなので、公開望遠鏡による写真撮影にもチャレンジします。 随時、国立天文台のギャラリーページに掲載していく予定ですので、楽しみにしていてください。
研究のための観測についてですが、最近の惑星研究の主流は、地上の観測よりも、惑星探査機によるもので、最接近に合わせた地上観測は特に予定していません。けれども、国立天文台の中でNASAの火星着陸機による探査と関係しているプロジェクトがあるのでご紹介します。国立天文台RISE月惑星探査検討室の公式サイトでは、火星大接近に合わせて2018年5月に打ち上げのNASAの火星着陸機InSightの紹介記事を掲載しています。
今回の接近もスーパーマーズと呼ぶのですか?
前回の接近時にマスコミなどで盛んに使われた「スーパーマーズ」という言葉ですが、そもそも天文用語ではなく、どのような状態の火星をそう呼ぶのか?という明確な定義はありませんので、どのような場合に使うのかわかりません。今回の接近時に、もし「○○マーズ」という別の言葉が、使われたとしても同様です。詳しくは天文情報・基礎知識ページ「火星の接近」をご覧ください。
火星が普段より近づくと、地球に何か影響がありますか?
地球に最も大きな影響を与えている天体は地球の衛星、月です。月と地球は平均で38万キロートルしか離れておらず、月の引力の影響は潮の満ち干という形であらわれています。このような力を潮汐力といいます。火星は今回の最接近時でも月の150倍も遠いため、火星の潮汐力は月のおよそ10万分の1程度にも満たない小さなものにしかなりません。したがって、それと気づくほどの影響を及ぼすとは考えられません。