いつ、どこに見える?

火星は夜空のどこに見えるの?

2018年 火星の動き
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火星などの惑星は、太陽のまわりを公転しているため、星座の中での位置を変えていきます。上の図は、2018年の火星の移動を示したものです。

惑星が星座の中を西から東(上の図では右から左)へと移動していくことを「順行」、東から西(左から右)へと移動していくことを「逆行」といいます。順行から逆行、逆行から順行へと転じるとき、惑星の移動が止まったように見えます。このことを「留(りゅう)」といいます。順行→留→逆行→留→順行の動きは、地球と火星の会合前後、地球が火星に追いつき、追い越すときに起こります。なお、図中にある「衝(しょう)」とは、地球から見て太陽と火星が反対方向になるときのことです。

最接近の頃の火星はとても明るく見えます。これは火星の視直径が大きくなっているからですが、最接近の頃でも火星の視直径は月の視直径の約77分の1と非常に小さなものです。このため、肉眼では火星の明るさの変化はわかっても、火星が丸い形をしていることや、火星の視直径の変化までは見ることができません。

月ごとの東京での火星の見え方は、下記のとおりです。(日本の他の都市でも、見え方はほとんど変わりません。)

1月から6月

2018年前半は、火星が明るさを増していきながら星座の中での位置を変えていくようすを観察しましょう。火星はてんびん座、さそり座、へびつかい座、いて座、やぎ座を順行し、6月28日にやぎ座で留となります。留以降は、逆行となります。1月から4月頃までは、真夜中過ぎに東の空から昇り、日の出前の東から南東の空に見えます。5月以降は真夜中よりも前に昇り、日の出前の南の空でとても目立つようになります。1月頭には1等台だった火星の明るさも、3月には0等台、4月中旬にはマイナス0等台、5月下旬にはマイナス1等台、6月下旬にはいよいよマイナス2等台に達します。

7月

火星の動き(7月)
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いつ、どこに見える?

やぎ座を逆行しています。中旬には20時頃、下旬には19時頃に昇り、真夜中の南東から南の空でひときわ明るく輝きます。27日に衝、31日に最接近となります。

明るさは?

マイナス2.2等~マイナス2.8等。7月8日以降は、木星よりも明るく輝くようになります。

7月31日の火星

火星の位置(2018年7月31日)
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最接近の日の火星は、やぎ座に位置しています。東京では19時前に南東の空から昇り、真夜中頃に真南の空に見えます。明るさはマイナス2.8等。21時頃には東の空から月が昇ってきますが、月明かりにも負けずに赤く明るく輝く火星は、とても目を引くことでしょう。

8月

火星の動き(8月)
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いつ、どこに見える?

やぎ座からいて座を逆行していますが、28日に留となり、以後は順行に転じます。日の入りよりも先に東の空から昇ってくるようになります。見ごろが続いています。

明るさは?

マイナス2.8等~マイナス2.1等。木星よりも明るく見えます。

9月

火星の動き(9月)
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いつ、どこに見える?

いて座からやぎ座を順行しています。宵の南東から南の空に見え、観察しやすくなります。

明るさは?

マイナス2.1等~マイナス1.3等。最接近の頃に比べると少し明るさを落としますが、マイナス等級を保ち、明るく輝いています。9月11日以降は木星よりも暗くなりますが、土星よりも明るく見えます。

10月

火星の動き(10月)
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いつ、どこに見える?

やぎ座を順行しています。宵の南の空に見え、観察しやすい状態が続いています。

明るさは?

マイナス1.3等~マイナス0.9等。土星よりも明るく見えます。マイナス等級を保っていますが、やや暗くなってきました。

11月

火星の動き(11月)
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いつ、どこに見える?

やぎ座からみずがめ座を順行しています。宵の南の空に見え、観察しやすい状態が続いています。

明るさは?

マイナス0.6等~マイナス0.1等。土星やフォーマルハウトよりも明るく見えます。マイナス等級を保っていますが、さらに暗くなったのが一目でわかるようになりました。

12月

火星の動き(12月)
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いつ、どこに見える?

みずがめ座からうお座を順行しています。宵の南の空に見え、観察しやすい状態が続いています。

明るさは?

マイナス0.0等~0.4等。フォーマルハウトよりも明るく見えます。最接近のころに比べると、かなり暗くなりました。

参照:暦計算室ウェブサイト

今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。また、「こよみの計算」では、太陽、月、火星の出入り時刻などを調べることができます。

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