自然科学研究機構 国立天文台

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火星の接近とは

2018年 火星大接近について

地球や火星などの太陽系の惑星は、それぞれ異なる周期で太陽のまわりを公転しています。このため、惑星どうしの位置関係はいつも変化しています。内側を公転している惑星ほど公転のスピードが速く、火星の内側にある地球(公転周期365日)は、火星(公転周期687日)に約780日(約2年2カ月)の周期で追いつき、追い越します。このとき、火星と地球の距離が近くなることを火星の接近といいます。そして、地球と火星の距離が最も近くなるときのことを「最接近」といいます。 地球の軌道に比べて火星の軌道は少しつぶれた楕円形をしているため、最接近の距離は毎回異なります。(詳しくは「基礎知識」の「火星の接近」をご覧ください。)

2018年 地球・火星の位置関係と火星の視直径
画像サイズ:中解像度(2000 x 2000) 高解像度(5500 x 5500)

2018年の火星の最接近は、地球と火星の軌道が最も近くなるあたりで起こるいわゆる「大接近」です。上の図は、2018年の地球と火星の位置を表したものです。1月1日には地球と火星は3億キロメートル近く離れており、火星の視直径は5秒角もありません。その後、地球が火星に近づくにつれて火星の視直径がしだいに大きくなっていきます。そして、7月31日16時50分に、地球と火星は、5,759万キロメートルの距離まで接近します。このとき火星の視直径は24秒角を超え(月の視直径の約77分の1)、明るさはマイナス2.8等と、木星よりも明るくなります。ただし、最接近の時刻では、日本では火星はまだ空にのぼってきていません。

「火星の大接近」というと、その瞬間の日時ばかりが注目されがちです。しかし上の図のように、最接近前後の数週間は、地球と火星はほとんど同じ方向に並んで公転しているため、接近した状態が続きます。今回、火星は6月下旬から9月上旬頃までマイナス2等を超える明るさで輝いています。また、最接近の頃よりも遅い時期の方が、火星が昇ってくる時刻が早くなり、宵の空で観察しやすくなります。つまり、最接近のときだけでなく、2018年の夏から秋にかけての比較的長期間、視直径が大きくて明るく輝く火星を夜空で楽しむことができるのです。