太陽観測衛星「ひので」

太陽観測衛星「ひので」とは

太陽観測衛星「ひので」は2006年9月23日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。可視光、極端紫外線、軟X線という3つの観測波長で太陽を観測し、温度6000度の光球から数100万度のコロナを同時に、しかも高い分解能で観測できます。「ひので」は、大成功をおさめた「ようこう」衛星と同様に、日本、アメリカ、英国3国の国際協力のもとで開発が進められ、運用にはヨーロッパも参加しています。日本は、衛星システムおよび可視光望遠鏡本体とX線望遠鏡のカメラの製作を担当しました。「ひので」は打ち上げから様々な成果を挙げ、15年以上経過した今もなお現役で活躍し続けています。

太陽観測衛星「ひので」

研究

「ひので」は磁力線を伝わる波を発見し、その波でコロナが加熱される例を示すなど、長年にわたって太陽物理学の大問題のひとつになっている「コロナ加熱問題」に迫る成果を挙げています。また、シミュレーションと連携して太陽フレアの発生のきっかけとなる磁場構造を発見し、太陽内部から磁場が上昇し黒点が形成される様子や、黒点ジェットが発生するメカニズムを解明しました。

スペック

図:太陽観測衛星「ひので」に搭載された望遠鏡
打ち上げ2006年9月23日6時36分
ロケットM-V-7号機
衛星重量約900キログラム
全長約4メートル
パドル翼幅約10メートル
軌道太陽同期極軌道・高度約680キロメートル

歴史

2006年(平成18年)9月23日6時36分 打ち上げ
2006年(平成18年)10月23日X線望遠鏡ファーストライト
2006年(平成18年)10月25日可視光・磁場望遠鏡ファーストライト
2006年(平成18年)10月28日極端紫外線撮像分光装置ファーストライト
2007年(平成19年)5月1日「ひので科学プロジェクト」発足
2016年(平成28年)2月25日可視光・磁場望遠鏡撮像装置観測停止、偏光分光観測に専念
2016年(平成28年)9月2日打ち上げ10周年
2017年(平成29年)4月3日「太陽観測科学プロジェクト」発足
2021年(令和3年)9月23日打ち上げ15周年

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