自然科学研究機構 国立天文台

日米太陽観測衛星「ひので」「IRIS」の共演 〜太陽コロナ加熱メカニズムの観測的証拠を初めて捉えた〜

研究成果

太陽表面の上空には、表面の数百倍の温度を持つプラズマが存在しています。熱源の表面から遠く離れた場所で温度が高くなっているこの不思議な現象は、「コロナ加熱問題」として、現在も未解決のままです。このたび、日・米の太陽観測衛星「ひので」、「IRIS(アイリス)」による共同観測と国立天文台が有するスーパーコンピュータ「アテルイ」による数値シミュレーションを組み合わせた研究から、コロナ加熱問題を解決する糸口となる、波のエネルギーが熱エネルギーへと変換される過程を捉えることに初めて成功しました。観測的研究は極めて難しいとされる、この過程を実証的に調べた意義は大きく、コロナ加熱問題解明へと弾みが付くと期待されます。

(左)NASAの太陽観測衛星SDOが極端紫外光でとらえた太陽全面画像。(右)太陽観測衛星ひのでが可視光で撮影した太陽プロミネンス。
(左)NASAの太陽観測衛星SDOが極端紫外光でとらえた太陽全面画像。(右)太陽観測衛星ひのでが可視光で撮影した太陽プロミネンス。プロミネンスが細長い筋状の構造を持っていることがわかります。同じ縮尺の地球と比較すると、プロミネンスの巨大さがわかります。 オリジナルサイズ(257KB)

この研究成果は、アメリカ天文学会の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されました(“Resonant Absorption of Transverse Oscillations and Associated Heating in a Solar Prominence. I. Observational Aspects” T. J. Okamoto, P. Antolin, B. De Pontieu, H. Uitenbroek, T. Van Doorsselaere, T. Yokoyama 2015, The Astrophysical Journal, 809, 71, “Resonant Absorption of Transverse Oscillations and Associated Heating in a Solar Prominence. II. Numerical Aspects” P. Antolin, T. J. Okamoto, B. De Pontieu, H. Uitenbroek, T. Van Doorsselaere, T. Yokoyama 2015, The Astrophysical Journal, 809, 72)。

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