C プロジェクト

天文シミュレーションプロジェクト

天文シミュレーションプロジェクトとは

シミュレーション天文学は観測天文学、理論天文学と並ぶ第三の天文学であり、研究室での実験が難しい天文学の研究を進めるためには必要不可欠な研究手法です。 物理法則に基づいたシミュレーションによってコンピュータの中に実験的に宇宙を作り出し、その様子を観測することで天体現象を研究します。 つまり、コンピュータはシミュレーション天文学における「望遠鏡」なのです。

私たちのプロジェクトには、大規模並列型スーパーコンピュータCray XC50 「アテルイII」や、計算加速器としてGPUを搭載したコンピュータなどがあり、国内外の天文学者が利用しています。 また、新しいシミュレーション方法を研究開発し、これまで不可能だったシミュレーションの実現を目指しています。銀河系や太陽系の誕生、ブラックホールの姿といった大きな謎がスーパーコンピュータによって解き明かされる日も近いでしょう。

星形成の現場である分子雲が生まれる様子を、CfCAが運用するスーパーコンピュータ「アテルイII」によってシミュレーションした結果

星形成の現場である分子雲が生まれる様子を、天文シミュレーションプロジェクトが運用するスーパーコンピュータ「アテルイII」によってシミュレーションした結果。

原子ガス(図の赤い領域)から分子雲(緑と黄色の領域。黄色い領域が星が生まれる可能性のある密度が高い領域)が作られる過程を、様々な物理学・化学の効果を取り入れて詳細に計算した。このシミュレーションから、乱流や磁場の働きによって分子雲の内部構造が非常に複雑になる様子が描き出された。

さらに計算結果の解析によって、原子ガスから分子雲を作る環境が大きく変わっても、星へと進化する高密度領域の物理的性質はあまり変わらないことが明らかになった。(クレジット:岩崎一成)

おもな計算機

Cray XC50「アテルイII」

Cray XC50「アテルイII」

2018年6月から本格稼働を始めた天文学専用のスーパーコンピュータです。

Cray XC50「アテルイII」

計算サーバ

計算サーバ

計算サーバは小規模の数値シミュレーションによる研究を支援する機材で、アテルイIIやGPUクラスタと使い分けることで幅広い研究に対応できるようになっています。

中規模サーバ・GPUクラスタ

中規模サーバ・GPUクラスタ

中規模サーバは2022年度より本運用が開始された、アテルイIIと計算サーバの中間程度の規模の並列計算を行うための計算機群です。同じラックに搭載されているGPUクラスタは、重力多体計算や流体シミュレーション、機械学習などに幅広く活用されています。

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