ほしぞら情報2026年2月
カノープスを見つけよう(2026年2月)
カノープスを観察しやすい季節到来
りゅうこつ座のカノープス(マイナス0.7等)は、おおいぬ座のシリウス(マイナス1.5等)に次いで、全天で2番目に明るい恒星です。しかし、日本の多くの地域ではカノープスの南中高度(南の空で最も高くなる時の高度)がたいへん低く、なかなか見られない星として知られています。カノープスを見ることができる北限は、平地では計算上北緯約37.9度となり、おおむね福島県北端付近です。それより北の地域ではカノープスは地平線より上に昇らず、見ることができません。反対に、南に行くほどカノープスの南中高度は高くなり、見やすくなります。
夜更け前にカノープスが南中する2月は、カノープスを見つけやすい季節と言えます。よく晴れた夜、南の空が開けた場所でカノープスを探してみましょう。うまくいけば、南の地平線近くの低い空に光る(場所によっては地平線すれすれの)カノープスを目にすることができるでしょう。上の図のように、冬の大三角やおおいぬ座のシリウスを目印に、探してみましょう。
カノープスは白く輝く恒星です。しかし、空の低い位置に見えるときには地球の大気の影響を受けるため、明るさは実際よりも暗く、色は赤みがかって見られます。
中国では、カノープスのことを「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」と呼ぶことがあり、この星を見ると寿命が延びるなど、縁起の良い言い伝えが残されているそうです。
| 場所 | 南中高度 | 南中時刻(1日) | 南中時刻(11日) | 南中時刻(21日) |
|---|---|---|---|---|
| 那覇 | 11.2度 | 22時07分 | 21時28分 | 20時48分 |
| 福岡 | 3.9度 | 21時56分 | 21時17分 | 20時37分 |
| 京都 | 2.5度 | 21時35分 | 20時55分 | 20時16分 |
| 東京 | 1.9度 | 21時19分 | 20時39分 | 20時00分 |
| 福島 | 0.1度 | 21時16分 | 20時36分 | 19時57分 |
※南中高度は大気の影響を考慮したもの
(参照)暦計算室ウェブサイト :「暦象年表 恒星の出入りと子午線通過 」では、各地のカノープスの南中時刻や南中高度を調べることができます。