ほしぞら情報2024年7月
月が土星に接近(2024年7月)
未明の空で近くに見える月と土星
7月の夜更けには、東の空から土星が昇ってきます。土星が南中を迎える未明の南の空には、ちょうど秋に見られる星座が広がっており、明るい恒星と言えばやや低いところに輝く1等星フォーマルハウト(みなみのうお座)のみ。その中で、1等級を上回るしっかりとした明るさで中空に昇った土星は、よく目立っているでしょう。
25日には、この土星に月が接近します。満月から3日ほど過ぎたばかりの月はまだ十分明るく、さすがの土星もやや目につきにくいかもしれませんが、薄明が始まるまで、双眼鏡の視野で同時に見ることができます。
白昼に起きる土星食
未明の空では、離角1.5度前後(注1)と双眼鏡視野に収まるほどの間隔で見えている土星と月は、西の空に傾きながら見かけ上さらに接近していき、日の出後の空で土星は月に隠されます。「土星食」です。東京における予報では、6時30分に土星に月の明縁がかかりはじめ、40秒ほどかけて完全に隠されます(潜入)。土星が月の暗縁から出現するのは、7時23分から24分にかけての頃です。日本では青空の中での現象となり、肉眼で観察はできません。
- (注1)天球上における2天体の見かけの距離のこと。角距離。度、分、秒の角度で表される(1度=60分角、1分=60秒角)。1.5度は、月の見かけの直径の3倍程度。
(参照)暦計算室ウェブサイト :「今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。「こよみの計算 」では、太陽や月、惑星の出入りの時刻や方位などを調べることができます。