ほしぞら情報2023年3月
金星と木星の接近(2023年3月)

夕方の空で明るい2惑星が大接近
2月から、日の入り後の空で二つの明るい惑星が目を引いてきました。金星と木星です。日々高度を下げる木星と、逆に高度を上げてきた金星は、1カ月を通して次第に近づくように移動してきました。3月2日には、この2惑星が最も接近して見えます。
日の入りから30分後のまだ明るい空でも、約マイナス4等の金星は一目でわかるでしょう。そのすぐ隣に並ぶ木星も約マイナス2等で、十分に見つけられる明るさです。時間が進むと二つの惑星は低空に移っていきますが、暗くなっていく空の中で圧倒的に明るい2惑星がぴったりと寄り添う光景は、とても目を引くでしょう。

金星と木星の離角(見かけの間隔。角距離とも)は約30分角、これはちょうど月1個分を間に挟む程度の間隔です。双眼鏡や、低倍率の望遠鏡で見ても、視野の中で同時に観察することができます。倍率によっては、木星のガリレオ衛星が並んでいる様子も楽しめるでしょう。金星はほとんど満ちて丸い姿をしています。

赤い惑星と半月が夜更けに並ぶ
昨年末の最接近の頃に比べるとだいぶ輝きが落ちてきた火星ですが、まだ1等星として、明るい恒星の多い冬の星空に彩りを加えています。2022年後半から順行、逆行、また順行と“惑う”ように動いてきたおうし座の領域から、3月下旬にふたご座の足元へと移動してきました。28日の日の入り後、空の高いところで、上弦直前の月がそのすぐ近くに並んでいます。
日本から見ると、火星と月が最も近づいて見えるのは深夜、29日0時頃。その後、1時頃に並んで沈んでいきます。
(参照)暦計算室ウェブサイト :「今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。「こよみの計算 」では、太陽や月、惑星の出入りの時刻や方位などを調べることができます。