ペルセウス座流星群が極大(2022年8月)

月明かりに負けない明るい流星に期待
今年のペルセウス座流星群の活動(注1)は8月13日10時頃に極大(注2)を迎えると予想されています。ただし、今年は8月12日が満月のため、ほぼ一晩中明るい月明かりがあり、観測条件が良くありません。見える流星の数は、例年よりもだいぶ少なくなりそうです。
普段より目立って多くの流星を見ることができるのは、11日の夜から13日の夜までの3夜で、このうちの12日の夜に最も多くの流星が出現すると予想されます。いずれの夜も、21時頃から流星が出現するようになり、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されます。最も多く流星が見られるのは、13日の夜明け近く(東京では3時台)と考えられ、このときに空の暗い場所で観察した場合の流星数は、1時間あたり30個程度と予想されます(注3)。例年よりも数が多くなく残念ですが、ペルセウス座流星群では月明かりに負けない明るい流星も出現しますので、期待しましょう。
なお、昨年の2021年は、極大の約1日半後に、例年の極大時の2倍以上に達する予想外の活動が観測され話題となりました。今年、2022年に地球が同じ位置関係となるのは、14日深夜23時台です。2021年と同じような予想外の極大が起こる可能性は高くはありませんが、予想のできない活動もありうるということを頭に入れて観察するのもよいでしょう。
流星は、放射点(注4)を中心に放射状に出現します。ただ、放射点付近だけでなく、空全体に現れます。いつどこに出現するかも分かりませんので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。また、目が屋外の暗さに慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。事故に遭わないよう十分注意し、マナーを守って観察をしてください。
- (注1)「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。 本文へ戻る
- (注2)流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。 本文へ戻る
- (注3)街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察したりした場合には、見ることのできる流星の数は何分の1かに減ってしまうことがあります。一方、目のよい人や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。 本文へ戻る
- (注4)「放射点」とは、流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点です。流星は放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。放射点が地平線の下にある時間帯には流星の出現は期待できません。また、放射点は概念上のものですので、目で見てそこに何かが見えるわけではありません。 本文へ戻る
参照:
- ペルセウス座流星群:ペルセウス座流星群についての解説です。
- 流星群:流星群とはどのような現象かを解説しています。
- 流星群の観察方法:流星群の観察方法について解説しています。
- 暦計算室ウェブサイト:「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。