ペルセウス座流星群が極大(2020年8月)

ペルセウス座流星群と放射点
画像サイズ:中解像度(2000 x 2000) 高解像度(5500 x 5500)

月明かりはあるがまずまずの条件

今年のペルセウス座流星群の活動(注1)は8月12日22時頃に極大(注2)を迎えると予想されています。今年は8月12日が下弦のため、流星群を観察しやすい時間帯のほとんどに月明かりがあり、見える流星の数は条件の良い年より少ないでしょう。それでも、月がそれほど明るくないため、まずまずの数の流星を見ることができそうです。

普段より目立って多くの流星を見ることができるのは、11日の夜から13日の夜までの3夜でしょう。12日の夜に最も多くの流星が出現すると予想されます。いずれの夜も、21時頃から流星が出現するようになり、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると考えられます。
空の暗い場所で観察すると、見られる流星の数は最大で1時間あたり30個程度と予想されます(注3)

流星は、放射点(注4)を中心に放射状に出現します。流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。いつどこに出現するかは分かりませんので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。ただし、月は視界に入らないようにすることをお勧めします。また、目が屋外の暗さに慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転ぶなどすると楽に観察できます。事故に遭わないよう十分注意し、マナーを守って観察をしてください。

  • (注1)「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。 本文へ戻る
  • (注2)流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。 本文へ戻る
  • (注3)街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察したりした場合には、見ることのできる流星の数は何分の1かに減ってしまうことがあります。一方、目の良い人や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。 本文へ戻る
  • (注4)「放射点」とは、流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点です。流星は放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。放射点が地平線の下にある時間帯には流星の出現は期待できません。また、放射点は概念上のものですので、目で見てそこに何かが見えるわけではありません。 本文へ戻る

(参照)

コラム
天文学の現場から

平松正顕
平松正顕
国立天文台助教

流星の元になる小さな塵(ちり)は、太陽系を移動する彗星(すいせい)から放出されたものです。生命と関連の深い元素・リンが、星が生まれる領域と彗星とに存在することが、アルマ望遠鏡と彗星探査機ロゼッタの観測で分かりました。私たちの体を作るリンも彗星が地球へと運んだのかもしれません。
アルマ望遠鏡を用いた研究成果

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