電波ヘリオグラフ

電波ヘリオグラフとは

電波ヘリオグラフは国立天文台野辺山に設置された太陽専門の電波望遠鏡です。84台のアンテナを使い、直径500メートルの電波望遠鏡に相当する解像力を実現しています。太陽表面の活動のタイムスケールは1秒以下のものから10年以上にわたるものまでさまざまですが、最大で毎秒20枚の画像を得ることができる性能を活かし、ビデオカメラのように太陽の活動をモニターしています。2015年4月からは名古屋大学宇宙地球環境研究所が運用を引き継ぎました。2020年3月31日、運用を終了しました。

電波ヘリオグラフ

研究

太陽表面では時々爆発が起こり、非常に高速の電子が作られ、この電子が黒点の磁場に巻きついて強い電波を出します。この電波をとらえて、高速の電子が作られる原因、さらに爆発の原因を明らかにするのが電波ヘリオグラフの主な観測目的です。そのほかにも、太陽から飛び出すプラズマのようすをとらえることもでき、地球のまわりの宇宙空間天気予報にも役立ちます。

スペック

所在地国立天文台 野辺山(長野県南佐久郡南牧村野辺山)
主な製造メーカー日本電気
アンテナ直径80センチメートル
アンテナ数84基、東西490メートル、南北220メートルの逆T字型
観測周波数17ギガヘルツ、34ギガヘルツ
アンテナ重量約600キログラム
空間分解能10秒角(17ギガヘルツ)、5秒角(34ギガヘルツ)
時間分解能1秒(爆発発生時には0.1秒)
観測時間1日約8時間連続

歴史

1992年(平成4年)3月完成。同年6月末より連続観測を実施
2015年(平成27年)4月野辺山太陽電波観測所閉所に伴い、名古屋大学に運営を移管
2020年(令和2年)3月運用終了

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