自然科学研究機構 国立天文台

国立天文台と国際天文学連合が国際普及室に関する新たな協定を締結

トピックス

国立天文台ロゴ(左)、国際普及室ロゴ(中央)、IAUロゴ(右)
国立天文台ロゴ(左)、国際普及室ロゴ(中央)、IAUロゴ(右)(クレジット:NAOJ、IAU/OAO、IAU)

2021年4月、国立天文台と国際天文学連合(IAU)は、IAU国際普及室(IAU Office for Astronomy Outreach、IAU OAO)に関する新たな協定を締結しました。

国立天文台とIAUとが2012年に結んだ協定により、IAUの事務局の一つである国際普及室が国立天文台内に設置されました。それ以降、国際普及室は、世界中の人々へ向けた天文学の情報発信普及活動を積極的に行ってきました。今回結ばれた新たな協定では、国際普及室に室長と副室長を置くこと、新規職員を採用すること、そして、国立天文台とIAUが共同で設置する運営委員会が国際普及室の監督を行うこと、の3つが追記されました。国際普及室は今後、財政面でさらに支援を受け、天文学の普及活動をより強力に推進できるようになります。発足からこれまでの国際普及室の活動が評価された成果です。

国際普及室が発足からの9年間で展開してきた国際的な天文普及活動は、多岐にわたります。135の国と地域を代表するアウトリーチ窓口との協力関係を構築し、その窓口を通じて世界中の人々へ向けて天文学の情報発信やキャンペーン等の普及活動を続けてきました。天文学の普及があまり進んでいない地域へ天体望遠鏡の普及を図る「みんなのための望遠鏡(Telescope for All)」、IAU会員の天文学者と市民とをオンラインで結びコミュニケーションを促す「IAU天文学者に会おう(Meet the IAU Astronomers!)」、といったさまざまな国際キャンペーンを手がけました。また、天文普及活動を扱う投稿料、購読料ともに無料の査読論文誌『CAPジャーナル』を発行しています。国際普及室が主催した2015年の「太陽系外惑星命名キャンペーン」には、180の国と地域から50万件もの応募がありました。IAU創立100周年となる2019年には、その記念事業をIAUと共催しました。この事業には、世界の143の国と地域から5000件を超えるイベントの登録があり、関わった人々は500万から1000万名に及び、また1億名もの人々に天文普及活動を行ったことになります。

国際普及室は、国際会議も主催してきました。2018年に国立天文台と共催した「世界天文コミュニケーション会議2018 in 福岡(CAP2018)」には、53の国と地域から446名が参加し、同会議として過去最多の参加者数を記録しました。またIAUとしては初めて、天文学におけるダイバーシティ(性別や出身地、人種や国籍、使用言語、障害の有無などを超えた多種多様な人材のこと)とインクルージョン(多種多様な人材を社会に受け入れ生かすこと)をテーマとしたIAUシンポジウム358「Astronomy for Equity, Diversity and Inclusion」を、2019年に国立天文台三鷹キャンパスを会場に開催し、たいへん盛況な会議となりました。

このように国際普及室が中心となって展開した活動は、国内外からの賞賛を浴びています。「CAP2018」は日本政府観光局の2018年度「国際会議誘致・開催貢献賞」を受賞しました。また、IAUシンポジウム358「Astronomy for Equity, Diversity and Inclusion」の開催事務局を代表して、現・国際普及室長であるリナ・キャナス特任専門員が、2020年度の国立天文台長賞を受賞しました。

今回の新たな協定締結を基に、国立天文台は引き続きIAUとの連携を深め、国際普及室を通じて世界のより多くの人々へ天文学を普及する活動を推進していきます。

関連リンク