自然科学研究機構 国立天文台

メニュー

検索

史上最多!天文コミュニケータが福岡に集結! ― 「世界天文コミュニケーション会議2018 in 福岡」開催 ―

イベント

CAP2018参加者の集合写真
CAP2018参加者(450名近く!)で集合写真。参加者はちょうど男女半々、53か国から参加者が。会期中の5日間、会場は熱気に溢れていました。

2018年3月24から28日にかけて、「世界天文コミュニケーション会議2018 in 福岡(Communicating Astronomy with the Public Conference、CAP2018)」が開催されました。第7回目となる今回は、初の日本開催で、会場は新しくできたばかりの福岡市科学館。史上最多の参加人数で、世界53カ国から446名が参加しました。ありがたいことに参加希望者が大変多く、参加登録者が会場の受け入れ人数を超えてしまったため、予定の一か月前で参加登録を締め切りました。今回は、日本初開催のCAP2018の様子をご紹介します。

CAP会議とは?

CAP会議は国際天文学連合(IAU)のC2分科会が約2年に1度開催している国際会議です。IAUには世界79の国と地域、約1万人が加盟しています。IAUは、国際協力を通じて、天文学を発展させていくことを使命としています。2005年以降、同会議では最先端の天文学や科学を広く伝える手段や実践について情報交換がなされてきました。CAP2018を通じて、天文普及に携わる人たちが世界中の方と繋がり、また最新の天文普及活動の動向、過去の活動について学ぶことは、大きな財産、大きな力になります。

今回は、国立天文台と福岡市がホストとなり、LOC(国内事務局)中心に運営が行われ、日本国内の天文コミュニケータ、協力企業/組織が支援しました。

熱く盛り上がった5日間

CAP2018は5日間に渡って行われ、世界各国の天文普及に携わる人が一堂に会し、天文系の科学コミュニケーションにおける実践方法や課題を共有しました。

本会議では、招待講演5講演、全体講演24講演、分科会(プラネタリウムセッション含む)22件、分科会講演141件、ワークショップは20のテーマに分かれて24件、課題セッション4セッション、IAU100周年特別セッション1セッション、そして111件のポスター発表がありました。

本会議のメインテーマは「今日の世界で天文学を伝える目的と方法」です。現代社会で私たちが直面している多くの課題と、天文コミュニケーションの役割について参加者と意見を交わしました。世界中のコミュニケータからの助言や提案も踏まえ、お互いの意見や知識を共有しました。

また、本会議では上述のメインテーマのもと、以下のトピックスを取り上げました。「天文コミュニケーションの課題」、「天文コミュニケーションの実践例」、「障がい者とマイノリティと共に楽しむ天文学」、「よりよい世界を目指す天文コミュニケーション」、「天文学との関わり方」、「天文コミュニケーションにおけるメディアの役割」、「天文学の公衆関与における先端技術の活用―マルチメディア・SNS・没入体験―」といったトピックスです。変化する現代社会において、科学コミュニケーションを実践することは大きな意味があります。

開会式は、縣 秀彦CAP2018LOC議長による、
「日本開催のCAP2018にご参加いただいた皆さんが、母国に工夫を凝らした活動事例や知見、ツールを持ち帰られるように願っています。そして、各国における天文学・天文科学文化の発展につながることを期待しています。CAP2018が未来の天文コミュニケーションへの道筋となるように、一緒に歩んでいきましょう!」
という熱い開会宣言で始まりました。

1日目の特別セッション「2019年のIAU100周年に向けて市民参加の取り組み」の様子を写した写真
1日目の特別セッション「2019年のIAU100周年に向けて市民参加の取り組み」の様子。
海部 宣男(国立天文台名誉教授、IAU前会長)による招待講演の写真
海部 宣男(国立天文台名誉教授、IAU前会長)による招待講演。本会議のサブテーマ「授業外の教育と普及活動」に合わせて「日本における天文コミュニケーションの実践例」という題目で講演されました。
ワンダ・ディアス・メルセド(南アフリカのケープタウンにあるIAU天文学推進室OADの博士研究員)による招待講演の写真
ワンダ・ディアス・メルセド(南アフリカのケープタウンにあるIAU天文学推進室OADの博士研究員)による招待講演。本会議のトピックス「障がい者とマイノリティと共に楽しむ天文学」について講演しました。
4日目のワークショップの様子 その1
4日目のワークショップの様子 その2

4日目は丸一日、ワークショップ。ワークショップは本会議のメインの一つです。参加者同士で学びながら、互いのスキルを高め合いました。

天文コミュニケーションに関して国境を越えた議論が行われました。

アジア太平洋地域からたくさんの参加者を!

LOCはCAP2018で得られる知見を母国に持ち帰ることで、アジア太平洋地域の発展途上国における科学コミュニケーションが発展するきっかけになることを望んでいました。しかし、残念ながら、過去のCAP会議ではアジア太平洋地域の発展途上国からの参加数は充分ではありませんでした。そこで、より多くの途上国の方々が参加できるよう旅費の支援を行いたいという思いから、クラウドファンディングに挑戦しました。発展途上国の次世代の科学コミュニケータにCAP2018で学んでほしいと思ったのです。多くの方のご支援と国立天文台の支援の結果、集まった資金は、発展途上国からの参加希望者への旅費・参加費支援に使われました。インドネシア、インド、バングラデシュ、フィリピン、ネパール、マレーシア、台湾、シンガポールの8カ国12名の参加者に対して支援を行うことができました。選考基準は、将来、地域の科学コミュニケーションを発展させられるかということと、天文学の普及活動を大きく向上させられるかということでした。

今回、日本が開催地に選ばれたのは、アジア太平洋地域の発展途上国に対して働きかけるという目的もありました。異なる国の、異なる言語や習慣、信仰や信条の背景を持つ参加者同士の交流を促し、コミュニティ内の多様性を増やすことを意図していました。結果として、アジア太平洋地域からは89名、日本からは198名もの方が参加してくれました。男女比は男性47%、女性33%(無回答20%)でした。

日本文化を体験してもらおう

CAP2018では、さまざまな日本文化を体験してもらう機会を設けました。参加者に日本文化を体験してもらうことは、今後、世界各国がアジアと協力して天文に関わる上でも、よいつながりになると考えました。

能楽体験の写真
能楽体験。国立天文台と福岡市のLOCが多様な親睦プログラムを用意しました。海外からの参加者も日本の伝統文化である能楽にくぎづけ。大濠公園能楽堂にて。
懇親会の様子
懇親会の様子。参加者同士で交流をもつことによって、異なる文化に出会い、視野を広げることができ、忘れられない貴重な体験になりました。ホテルニューオータニ・博多にて。

新しくできたばかりの福岡市科学館

会場になった福岡市科学館は、2017年10月にオープンしたばかり。福岡市科学館は全ての福岡市民や来館者に楽しく魅力的な科学を体験し、楽しんでもらうことを通じて、自由かつ自発的に科学への興味・探究心の向上と創造性を育める環境になることを目指しています。

参加者は新しくできたばかりの福岡市科学館を満喫しました。会場周辺の素晴らしい環境、活気に満ちた福岡市と九州を味わってもらいました。

メインイラストは日本テイスト

CAP20018のメインイラスト

CAP 2018のメインイラストは日本らしいテイストにしました。七夕伝説の織姫と彦星や、月のウサギ、すばる望遠鏡やウサギの宇宙飛行士も登場。古の日本の文化から最新の日本の技術まで融合させました。たった一つの地球、同じ空の下、国境を越えて、言葉や習慣、信仰や信条の違いを乗り越えてひとつになって、互いに協力することを称えています。

#CAP2018 がトレンド入り

FACEBOOKやツイッターといったSNSでも盛り上がりました。本会議のハッシュタグ「#CAP2018」が福岡・オランダ・イギリスでトレンド入りしました。SNSでつぶやいたことで会議中に話題になったことやCAP2018が日本で開催されたことが、日本だけでなく、世界にも伝わりました。

関連リンク