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2025年6月の星空情報

著者近影三上真世、伊藤博則(国立天文台 天文情報センター)

2025年6月の星空情報です。

宵の西の空に、1等級の目につきやすい明るさで火星が見えています。6月1日に、そのすぐ近くを月が通ります。空が暗くなると、半月よりやや細い月に寄り添うように、赤い火星が見えてきます。

夜半頃に姿を現す土星は、未明にかけて南東の高いところまで昇っていきます。東の空の低いところでは、明けの明星・金星が輝き始めます。

6月21日は、夏至。太陽が天球上で最も北側を通過し、日本では1年で夜が最も短くなる日です。有史以前から人類は太陽の運行の変化を認識していたことが、古代の遺跡からも推測されています。天文学の原点はここにあるのかもしれません。

6月の月の暦

3日:上弦 11日:満月 19日:下弦 25日:新月

映像制作スタッフおススメ現象ピックアップ「夏至」

……当たり前のように昇る太陽を、当たり前と思わない感覚。編集の手を止めて、しばし太陽を思う時間になりました。

ふとした日常のあいさつ——
「日が長くなりましたね」
「お日さま、高くなったね」
そんな何気ない言葉も、考えてみれば立派な“天文現象の観察”なんだなと思います。
望遠鏡も難しい知識もいらない。昼間に裸眼で感じる、いちばん身近な宇宙の変化。

太陽が高く長く照らす今だからこそ、空を見上げて、季節のうつろいをちょっとだけ意識してみるのも悪くないな、なんて思いました。

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