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2023年10月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

10月の星空情報です。

秋が少しずつ深まり、日の出もすっかり遅くなりました。夜明けの空では、金星が明るく輝き、上旬には朝焼けの中で細い月と近づきます。

日の入り後、南の空には土星、東の空には一段と明るい木星が輝いています。太陽系最大級の惑星たちの姿を望遠鏡で楽しむのに、ちょうどよい時機です。

「十五夜」の中秋(陰暦八月十五日)の翌月には、日本独自で楽しまれたもう一つの名月がありました。「後の月」とも呼ばれる「十三夜」(陰暦九月十三日)は、今年は10月27日です。

その月が満ちた29日の明け方には、部分月食が起こり、日本全国から見られます。

10月の月の暦

6日:下弦 15日:新月 22日:上弦 29日:満月

ワンポイント・アドバイス

10月29日の明け方、部分月食が起こります。

月食は、太陽―地球―月が一直線に並ぶとき、地球の影に入って太陽光が当たらなくなった月面が、暗く見える現象です。今回起こるのは、月の一部が隠され欠けて見える「部分月食」です。
参照:月食とは(基礎知識)

部分食が始まるのは午前4時35分。5時14分に食の最大となり、月の直径の12.8パーセントが地球の影に入り込みます。部分食の終わりは5時54分で、月の入り直前の地域が多く(注)、西の空が低空まで開けた場所で観察しやすいでしょう。

  • (注)小笠原諸島などでは、月が欠けたまま沈む月入帯食(げつにゅうたいしょく)となります。

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