自然科学研究機構 国立天文台

2022年7月の星空情報

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2022年7月の星空情報です。

この季節に見つけやすいさそり座を探してみましょう。頭部にあるさそり座δ(デルタ)星は、不規則に明るさを変える変光星です。

10日の深夜、この星が月に隠される「星食」が起こります。上弦を過ぎた月は明るいですが、暗い縁に隠れる「潜入」は比較的見やすいでしょう。

21日の深夜には「火星食」が起こります。「出現」は広い地域で見られますが、月は昇ってきたばかり。東の低い空まで開けた場所が必要です。

月は、明け方の空で木星や土星、金星とも接近しながら、日々移動していきます。他の天体との共演を通して、地球の周りを公転する月の動きを意識してみましょう。

7月の月の暦

7日:上弦、14日:満月、20日:下弦、29日:新月
14日の満月は、今年最も近く大きく見えます。

ワンポイント・アドバイス(月が惑星や恒星を隠す「食」に注目)

地球の周りを公転する月が手前を通り過ぎ、天体を隠す現象を、月による「掩蔽(えんぺい)」あるいは「星食」と言います。暗い星まで考えると、星食は常にどこかで起きていると言えますが、7月には、見やすい明るさの恒星と惑星で、食が起こります。天体が月の向こう側に隠される潜入や、月の向こう側から現れる出現のタイミングに注目してみましょう。

10日の深夜、さそり座の頭部に当たる2等星、さそり座δ星の食が起こります。上弦から満月に向かう月は明るいですが、潜入は月の暗い側(暗縁)で起きるので、比較的見やすいでしょう。

さそり座δ星は不規則に明るさを変える変光星で、1等台半ばまで明るくなり、アンタレスと並んで目立つこともあります。

21日の深夜には、下弦を過ぎた月が火星を隠す「火星食」が起こります。各地の月の出の前後に起こり、火星の潜入時に月が地平線から出ているのは、日本の北東側の地域のみ。出現は広い地域で見られますが、天体の高度はまだかなり低いので、東の地平線近くまで開けた場所が必要です。

食が起こる時には、月が刻々と天球上を移動していく様子がはっきりとわかります。ぜひ注目してみましょう。

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文:内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)