しぶんぎ座流星群が極大(2021年1月)

年始めの流星群を観察しよう
しぶんぎ座流星群(注1)は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群と呼ばれています。ただし、毎年安定して多くの流星が出現するペルセウス座流星群やふたご座流星群と比べると、しぶんぎ座流星群は、活動(注2)が活発な期間が短いことや、年によって出現数が変化しやすいことが知られています。
今年のしぶんぎ座流星群の極大(注3)は、1月3日23時~4日0時頃と予想されています。しかし、夜半前は放射点(注4)の高度が低いため、観察には向きません。観察に適した時間帯は、4日の夜明け前2~4時間(東京では4日2時~5時台頃)です。この時間帯は極大の時刻に近く、まずまずの条件と言えます。ただ今年は、観測に適した時間を通じて月齢20の明るい月が輝いており、月明かりの影響でとくに暗い流星が見えづらくなります。このため、実際に見える流星の数は平均的な流星数の年より少なめで、空の暗い場所で1時間あたり最大20個程度(注5)と予想されます。
流星は放射点を中心に放射状に出現します。放射点付近だけでなく、流星はどちらの方向にも現れますので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。一方で今年は、明るい月が空にありますので、視界に月が入らない方向を見るようにするのがおすすめです。
また、屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転ぶなどすると、楽に観察できます。たいへん寒い季節ですので、寒さ対策をしっかりおこなってください。事故に遭わないように十分注意し、マナーを守って観察をしてください。
- (注1)流星群の名前に使われている「しぶんぎ座」は、現在では存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来します。現在の星座で言うと「うしかい座」と「りゅう座」の境界あたりです。 本文へ戻る
- (注2)「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。 本文へ戻る
- (注3)流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。 本文へ戻る
- (注4)「放射点」とは、流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点です。流星は放射点から離れた位置で光り始め、放射点とは反対の方向に移動して消えます。流星の数は放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなります。放射点が地平線の下にある時間帯には流星の出現は期待できません。また、放射点は概念上のものですので、目で見てそこに何かが見えるわけではありません。 本文へ戻る
- (注5)街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察したりした場合には、見ることのできる流星の数は何分の1かに減ってしまうことがあります。一方、目のよい人や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。 本文へ戻る