東京の星空・カレンダー・惑星(2020年11月)
概要
11月に入ると日の出の時刻が遅くなり、明け方の天体観察もしやすくなります。11日には水星が西方最大離角となり、この日の前後は日の出前の東の低空で見つけやすくなります。水星の近くには金星も見え、12日から14日にかけてこれら2つの惑星に月が近づきます。宵の空も惑星たちでにぎやかです。日の入り後の南西の空に並んで輝く木星と土星に、19日には月が近づき、南東の空に見える火星には、25日から26日にかけて月が近づきます。惑星たちと月の共演を楽しみましょう。
東京の星空

カレンダー(11月)
1日 | 天王星が衝 |
3日 | 文化の日/水星が留 |
7日 | 立冬(太陽黄経225度) |
8日 | 下弦 |
11日 | 水星が西方最大離角 |
12日 | このころ、おうし座北流星群が極大(見頃は11月12日頃から22日頃までの夜半頃。1時間に2個程度) |
15日 | 新月 |
16日 | 火星が留 |
17日 | このころ、しし座流星群が極大(見頃は18日の未明。1時間に3個程度。極大時刻の条件がたいへん悪い) |
22日 | 小雪(太陽黄経240度)/上弦 |
23日 | 勤労感謝の日 |
29日 | 海王星が留 |
30日 | 満月/半影月食 参照:月食各地予報 |
流星群の極大日、時刻は、IMO(International Meteor Organization/国際流星機構)の予報をもとに掲載しています。流星群の流星出現個数は、見頃の時期に、天の川が見えるような暗い空で一般の方が観察したときに、1時間あたりに見られる最大の流星数の目安です。街明かりの中で観察したり、見頃でない時期に観察したりした場合には、数分の1になることがあります。反対に、空の条件や観察者の熟練度などによって、数倍の数の流星を見ることができる場合があります。
惑星
- 水星
- 日の出前の東の低空に位置し、11日に西方最大離角となります。5日から18日の間は東京での日の出30分前の高度が10度を超え、観察しやすくなります。5日から18日の明るさは、0.2等からマイナス0.7等。
- 金星
- 日の出前の東から南東の空で明るく輝いています。明るさは、マイナス4.0等。
- 火星
- うお座を西に移動(逆行)していますが16日に留となり、以後は東向きの移動(順行)に転じます。留のころには、星空の中での火星の動きが止まったように見えます。宵の南東から南の空に見え、明るさは、マイナス2.1等からマイナス1.2等。
- 木星
- いて座を東に移動しています(順行)。宵の南西の空に見え、明るさは、マイナス2.2等からマイナス2.0等。
- 土星
- いて座を東に移動しています(順行)。宵の南西の空に見え、明るさは、0.6等。
(参照)暦計算室ウェブサイト:「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説の天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。
コラム
天文学の現場から

国立天文台助教
ペガスス座の首の付け根のあたりに、ペガスス座51番星と名付けられた星があります。1995年、この星の周りを惑星が回っていると発表されました。太陽のような星を周回する「太陽系外惑星」の初めての発見でした。今では4000個を超える太陽系外惑星が発見されており、天文学の最もホットな分野の一つになっています。
