A プロジェクト

ASTEプロジェクト

ASTE(アステ)プロジェクトとは

ASTE望遠鏡(Atacama Submillimeter Telescope Experiment、アタカマサブミリ波望遠鏡実験)は、アルマ望遠鏡に10年ほど先駆けて2002年に南米チリ北部アタカマ砂漠の標高4860メートルの高地パンパ・ラ・ボラに建設された直径10メートルのサブミリ波望遠鏡です。ASTE望遠鏡は、波長1ミリメートル以下の電波(サブミリ波)によって、私たちの肉眼では見ることのできない暗黒の宇宙を観測し、星や銀河が生まれている現場の様子を描き出します。また、サブミリ波観測のため新しい観測装置や新しい観測手法を検証する基盤装置として、新しい宇宙の研究手法を切り拓くことに貢献しています。ASTEプロジェクトは、このASTE望遠鏡の運用を担うために設置されました。

観測画像

新型超伝導受信機DESHIMAが観測した、オリオン大星雲周辺の一酸化炭素(CO)、シアン化水素(HCN)、ホルミルイオン(HCO+)の分布
新型超伝導受信機DESHIMAが観測した、オリオン大星雲周辺の一酸化炭素(CO)、シアン化水素(HCN)、ホルミルイオン(HCO+)の分布。可視光で見えるオリオン大星雲は中央下部にあり、3つの分子がともに強く電波を出しています。一酸化炭素は、オリオン大星雲から南北に大きく広がっているようすがわかります。DESHIMAは、オランダと日本の国際研究チームによって開発された受信機で、非常に広い周波数帯域の電波を一度に受信しながら、これを分光することができるまったく新しい仕組みを採用しています。この新しい仕組みのおかげで、上図のように広い周波数帯域内に存在する様々な分子からの電波を同時に観測することが可能となりました。DESHIMAが実証に成功した世界初の技術を応用して本格的な電波分光撮像カメラを開発することで、遠方銀河研究から天の川銀河内の星形成領域研究に至るさまざまな分野において、新たな研究が花開くことが期待できます。

おもな望遠鏡

ASTE望遠鏡

ASTE望遠鏡

アルマ望遠鏡のすぐ近く、チリ・アンデスの標高4800メートル地点に設置された口径10メートルの電波望遠鏡です。2004年に科学観測を開始した南半球初の本格的サブミリ波望遠鏡として、星形成領域や遠方銀河の観測でさまざまな成果を挙げています。また新しい観測装置や観測手法の開発実証基盤としても、国内外の多くの研究者に利用されています。

ASTE望遠鏡

このページをシェアする