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出張授業「ふれあい天文学」2023年度の実施校を募集中
国立天文台は、国内外の小中学校で天文学や宇宙の授業を行う「ふれあい天文学」を2023年度も行います。講師は国立天文台の天文学者(注1)で、出張授業だけではなく、オンライン授業も継続して行います。
2010年度にスタートしたふれあい天文学では、例年40名を超える職員が講師となり、太陽や月のお話、星の誕生のしくみ、ブラックホールの不思議、太陽系を旅する宇宙旅行といった星や宇宙の話題を、学校に届けています。その訪問先は、全国の小中学校だけでなく、聾(ろう)学校、特別支援学校、夜間中学、そして世界各地の日本人学校や補習授業校など、多岐にわたっています。
現在、2023年度の実施校を募集中です。申し込み方法など、詳しくはふれあい天文学のウェブサイトをご覧ください。たくさんのご応募をお待ちしています。
(注1)天文学あるいは関連する分野の研究・開発をしている国立天文台職員および元職員 本文へ戻る
実施概要
- 対象
- 国内外の小学校(4年生以上)、中学校
- 授業時間
- 45~100分(1〜2コマ)程度
- 内容
- 天文学に関わる授業と質疑
- 実施期間
- 2023年10月から2024年2月の間
- 実施方法
- 講師を派遣する出張授業、もしくはビデオ通話システム(Zoomを推奨)を利用したオンライン授業
- 応募締切
- 2023年度の実施校募集は締め切りました。
- その他
- 授業内容、実施時期、実施方法などは、学校と講師とで相談の上決定します。
要望に応じてキャリアパス(天文学の仕事)の話もします。
新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、出張授業をオンライン授業に切り替える場合があります。
この事業は「天文学振興募金」の支援を受けており、実施校の金銭的負担はありません。
授業の紹介
理科の授業の一環として、校内のイベントとして、国立天文台はこれまでさまざまな形で「ふれあい天文学」を行ってきました。その中から、2022年度の授業をご紹介します。
身近な天文現象と最新の天文学
実施校:東京都 三鷹市立羽沢小学校(2022年10月28日)
講師:古澤順子(天文データセンター)
私はふれあい天文学2年生になりますが、旬のトピックを2つ授業に入れるよう心がけています。
一つは、(お天気が良ければ)子供たちが自分で空を見上げて観察できる直近の天体現象の内容で、どうしてそのような現象が観察できるのかも含めてお話ししています。
2022年は授業当日の夕方に月が観察でき、かつ皆既月食中に天王星食が起こるたいへん珍しい天体現象(注2)の11日前に授業日を設けていただきましたので、そのお話をしました。
幸い授業当日も皆既月食の日もお天気に恵まれ、特に皆既月食はニュースでもたくさん取り上げられましたので、身近な空の出来事に一段と興味を持っていただける良いきっかけになったのではないかと思います。
もう一つは、最新の天文学のお話です。
身近な天体現象と対比させて地球から遠方のお話をすることが多いのですが、2022年は、見つかっている最遠方天体ランキングのトップ10が1年で一新されてしまうというセンセーショナルな話題がありましたので、そのお話をしました。
研究者でなくとも興味を持てる最新の天文学の成果をご紹介できたことは、まさに大人も子供も関係なく楽しく天文学にふれあえる機会になったと感じました。
訪問先の学校では毎回、ご担当の先生や参加する子供たちをはじめ、お目にかかる職員の皆様、すれ違うだけの子供たちまで、優しく接してくださることにたいへん感謝しております。
質問の数もたいへん多く、子供たちの意識の高さを肌で感じています。
これからもふれあい天文学を通して、身近でもあり遠い存在でもある宇宙に思いをはせていただく機会がたくさん生まれることを願っています。
2022年度の授業例の報告記事
ご紹介したほかにも、国内外の学校で授業を行いました。
「ふれあい天文学」ご支援のお願い
「ふれあい天文学」は、国立天文台の「天文学振興募金」による事業の一環として実施されており、皆様のご支援によって成り立っています。天文学者が天文学の魅力を後世へ伝える取り組みを今後も継続していくために、皆様のご寄附をお待ちしております。寄附の詳細については「天文学振興募金」のページをご参照ください。