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家正則名誉教授が瑞宝重光章を受章

家正則(いえ まさのり)国立天文台名誉教授および総合研究大学院大学名誉教授が、令和4年秋の叙勲にて「瑞宝重光章(ずいほうじゅうこうしょう)」を受章しました。
家氏は、望遠鏡の主鏡をコンピュータ制御で理想的な形に保つ「能動光学」を提唱し、口径8メートルのすばる望遠鏡をハワイ島に建設する計画に貢献しました。すばる望遠鏡の完成後は、初期宇宙の観測に力を注ぎ、2006年に当時としては最遠となる130億光年離れた銀河を検出しました。また、大気のゆらぎによる星像の乱れを克服する「補償光学」の機能を持つ装置を開発し、すばる望遠鏡の視力を10倍に向上させることに貢献しました。この装置を搭載したすばる望遠鏡は、近距離の恒星を公転する惑星の直接撮像に成功する等の顕著な観測成果を挙げています。国際協力の下で進めている次世代超大型望遠鏡TMT計画の推進にも力を注ぎ、 TMT国際天文台の評議員会の副議長と日本代表を務めました。現在も、宇宙史の解明に向けた精力的な研究を続けています。
家氏は、天文学研究の功績により、平成23年秋の叙勲において紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章しています。また、2020(令和2)年には、日本学士院会員に選定されています。
令和4年秋の叙勲受章者は去る2022年11月3日付で発令されました。また、来る11月9日に皇居において伝達式が執り行われます。