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出張授業「ふれあい天文学」実施校募集中

「ふれあい天文学」授業の様子
写真提供:大阪市立焼野小学校

国立天文台は、天文学者が全国の小中学校へ出向いて授業を行う事業「ふれあい天文学」を行っています。今年度は例年とは少し形式を変え、「ビデオ通話システムを利用した遠隔授業」を中心に行い、状況が許す場合には講師が学校に出向きます。

こんな時だからこそ、天文学を通じて、全国の小中学生と一緒に私たちも元気を取り戻したいと考えています。そして、希望してくださる学校がある限り、安全な方法で授業を実施していきます。

「ふれあい天文学」は2010年度より実施していて、例年40名を超える天文学者が講師として、太陽や月のお話、星の誕生のしくみ、ブラックホールの不思議、太陽系を旅する宇宙旅行など、星や宇宙の授業を約680校に届けてきました。今年度はあなたの学校で天文学者による授業を受けてみませんか?

2020年度の実施校を現在募集中です。 申し込み方法など詳しくはふれあい天文学のウェブサイトをご覧ください。

ふれあい天文学

授業例の紹介

理科の授業の一環として、校内のイベントとして、国立天文台はこれまでさまざまな形で「ふれあい天文学」を実施してきました。その中から2019年度の授業をご紹介します。今年度は全く同じ方法での授業は難しいかもしれませんが工夫して実施します。ご期待ください。

授業タイトル:天文学者の見る宇宙

学校:江東区立東川小学校(18名、2019年11月2日実施)、大阪市立焼野小学校(185名、2019年11月29日実施)
講師:小宮山 裕(ハワイ観測所)

私は5年前からふれあい天文学に講師として参加し、各地の小学校を訪問してきました。都市部の学校に行くと「本校は市街地にありますので、子供たちが星空を見る機会はなかなかないのです」ともっともなことを言われるのですが、郊外の学校に行っても、「こんな田舎の学校ですが、今はインターネットの時代。子供たちがやっていることは都会の子とそう変わりません。星空を見上げる機会もそう多くはないのです」と言われ、なるほどそういう時代なのかと認識を新たにしたものです。そんな時代に観測天文学をなりわいとしている者として、子供たちに星空を見上げるきっかけを与え、そしてその先に広がる宇宙を身近に感じてもらいたいと思いながら、ふれあい天文学の授業に臨んでいます。

授業は目で見た星空の写真(コンパクト・デジカメで撮られた写真)とすばる望遠鏡で撮られた写真(観測画像)との対比からスタート。目で見るとボーっとした淡い光の集まりでしかないアンドロメダ銀河も、すばる望遠鏡で観測すると立派な大渦巻き銀河として細部まで鮮明に捉えられることに子供たちは声を上げて驚きます。そして授業後半からは、すばる望遠鏡で撮られた画像を大判印刷したものを囲み、子供たちによる星・銀河探しの時間。どれも形が同じように見えてしまう星に惑わされたり、珍しい形をした銀河を見つけて歓声を上げたりしながら画像をじっくり見てもらうことで、天文学者が望遠鏡を使って見ている宇宙の姿はどのようなものなのか、宇宙にはまさに「星の数ほど」星や銀河があることなど身を持って実感してもらえることと思います。そして、授業のトリを執るのは質問コーナー。小学生の純粋な発想からくる意表を突く質問に慌てることもあったりしますが、子供たちの宇宙への興味・関心を実感できる充実した時間です。次々と挙がる手に圧倒され時間切れになることもしばしばですが、そのエネルギーを糧にさらに新しい宇宙の姿を届けよう、と気持ちを新たにして学校を後にするのです。

授業の様子
写真提供:江東区立東川小学校
授業の様子
写真提供:大阪市立焼野小学校

2019年度の授業の報告

実施概要

対象
全国の小学校(4年生以上)、中学校
授業時間
45分~100分(1〜2コマ)程度
内容
天文学に関わる授業と質疑。詳しい授業内容は、学校と講師と相談の上決定
実施期間
2020年10月から2021年2月の間で、学校と講師と相談の上決定
実施方法
ビデオ通話システム(Zoom、Microsoft Teams、Skypeなど)を利用した遠隔授業、可能であれば講師を派遣します。
応募締切
電子メール:2020年8月31日(月曜日)
注意事項
ビデオ通話システムでは講師と学校(各クラス)をつなぎます。原則、児童・生徒の自宅とはつなぎません。
状況により可能であれば講師を派遣いたしますが、状況の変化によっては中止または遠隔授業に切り替えることがあります。
この事業は「天文学振興募金」の支援を受けており、実施校の負担はありません。

ふれあい天文学:申込みについて

「ふれあい天文学」ご支援のお願い

「ふれあい天文学」は、国立天文台の「天文学振興募金」による事業の一環として実施されており、皆様のご支援によって成り立っています。天文学者が天文学の魅力を後世へ伝える取り組みを今後も継続していくために、皆様のご寄附をお待ちしております。寄附の詳細については「天文学振興募金」のページをご参照ください。

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