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出張授業「ふれあい天文学」実施校募集中

「ふれあい天文学」授業の様子

国立天文台は、天文学者が全国の小中学校へ出向いて授業を行う事業「ふれあい天文学」を2010年度より実施しています。例年40名を超える天文学者が講師となって、太陽や月のお話、星の誕生のしくみ、ブラックホールの不思議、太陽系を旅する宇宙旅行など、星や宇宙の話題を約560校に届けてきました。「ふれあい天文学」は子供たちが天文学者の授業を受ける貴重な機会となります。今年度はあなたの学校で授業をおこなってみませんか。日本全国どこへでも天文学者をお届けします。

2019年度の実施校を現在募集中です。 申し込み方法など詳しくはふれあい天文学のウェブサイトをご覧ください。

ふれあい天文学

授業例の紹介

理科の授業の一環として、校内のイベントとして、国立天文台はこれまでさまざまな形で「ふれあい天文学」を実施してきました。その中から2018年度の授業を2件ご紹介します。

授業タイトル:宇宙に住む銀河たち

学校:千葉県一宮町立一宮小学校
講師:田中賢幸(ハワイ観測所)
実施日:2018年10月19日

身の回りのものの大きさから始めて、少しずつ大きいスケールに移り、星や銀河のある宇宙の大きさを想像してもらうことから、一宮小学校における私のふれあい天文学は始まりました。宇宙に住む銀河には様々な色と形があることを画像で理解してもらい、それを踏まえて一緒に(未解決の)銀河の謎を考えてもらいました。子供たちは非常にリラックスしていて、一緒にやりとりを楽しみながら講演をしました。

最後に15分ほど質問の時間に当てたのですが、尽きることのない子供たちの質問に私は圧倒されました!泣く泣く途中で打ち切りにしましたが、子供たちがこれほど宇宙に興味があるとは全く想像していませんでした。子供たちの知的好奇心をしっかり満たすことがふれあい天文学の目的の一つなのに、それを達成できたかは甚だ心もとないです。今年も微力ながらふれあい天文学のお手伝いをしつつ、より子供を満足させられる出張授業を目指したいと考えています。

待ってろ、子供たち!

実施校の先生より

宇宙への興味がある児童は、田中先生の授業からいろいろな銀河があることを知り、ますます夜空を眺めることが多くなりました。

これまで宇宙にあまり興味がなかった児童は、無数にある銀河が様々な形や色で存在していることを知り、その美しさに感動し興味をもちました。私たちの世界には美しいものが数多くあります。児童には世界の美しさに気付き、感動し、知的好奇心を高めていってもらいたいと考えています。

授業の様子
授業の様子

授業タイトル:ふれあい天文学

学校:東京都豊島区立朋有小学校
講師:赤堀卓也(水沢VLBI観測所)
実施日:2018年10月19日

豊島区立朋有小学校の4年生82名を対象に、3クラスに分けて授業を行いました。朋有小学校は今回が初めての応募でしたが、担当の先生から児童の自然体験が不足していると感じることや、本授業を通して夜空に興味をもち自然の雄大さと美しさを感じてほしいという熱意のある申込みを頂きました。授業前に先生と内容の相談を行い、宇宙の魅力を伝えることに主眼をおいた授業を目指しました。

児童には四季の星座を当てるクイズを出しながら、その星座と共に写っている一等星や星雲、銀河などの天体や天文現象を紹介しました。すばる望遠鏡が撮影したアンドロメダ銀河の写真を見せたときには圧倒的な星の数と美しさに歓声が上がり、超新星残骸SN1006は西暦1006年に星が爆発したものだと紹介すると、星は爆発するのか!と驚いていました。国立天文台の4次元デジタル宇宙ビューワーMitakaを用いて地球から宇宙の果てまでの擬似旅行もしました。星々の間を延々と飛行した末に天の川銀河を飛び出し、ついに宇宙大規模構造を眺めたときには、私たちの住む世界はこんなにも広いのかと子供たちは目を丸くしていました。

授業中は次から次へと質問が飛び交い、あふれ出る子供たちの好奇心にただただ驚かされるばかりの一日になりました。当初の目的は果たせたのではないかと思います。

実施校の先生より

本校は池袋の繁華街の近くにあり、外を見れば街灯が光り輝いています。夜空は明るく、星が見えにくいため、あまり星空に興味をもつことがなく日々を過ごしている子供たちが多くいることを感じていました。

子供たちは国立天文台で最先端の研究をしている天文学者の先生に星の明るさについてのお話や地球から宇宙の果てまでの擬似旅行を提供していただき、とても喜んでいました。授業後、星空の本を手にとって読むようになった子供が出てくるなど、関心の高まりが見られました。

授業の様子
授業の様子

2018年度の授業の報告

実施概要

対象
全国の小学校(4年生以上)、中学校
授業時間
45分~100分(1〜2コマ)程度
内容
天文学に関わる授業と質疑。詳しい授業内容は、学校と講師と相談の上決定
実施期間
2019年10月から2020年2月の間で、学校と講師と相談の上決定
応募締切
郵送:2019年5月31日(金曜日)当日消印有効
FAX・電子メール:2018年5月31日(金曜日)必着
注意事項
可能な限りすべての学校に講師を派遣しますが、応募多数の場合は過去の実績回数、日程、地域、志望動機を考慮の上実施校を決定します(2018年度までの採択率は99パーセント以上です)。
この事業は「天文学振興募金」の支援を受けており、実施校の負担はありません。

ふれあい天文学:申込みについて

「ふれあい天文学」ご支援のお願い

「ふれあい天文学」は、国立天文台の「天文学振興募金」による事業の一環として実施されており、皆様のご支援によって成り立っています。天文学者が天文学の魅力を後世へ伝える取り組みを今後も継続していくために、皆様のご寄附をお待ちしております。寄附の詳細については「天文学振興募金」のページをご参照ください。

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