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出張授業「ふれあい天文学」実施校募集中
国立天文台は、天文学者が全国の小中学校へ出向いて授業を行う事業「ふれあい天文学」を2010年度より実施しています。例年40名を超える天文学者が講師となって、太陽や月のお話、星の誕生のしくみ、ブラックホールの不思議、太陽系を旅する宇宙旅行など、星や宇宙の話題を約500校に届けてきました。「ふれあい天文学」は子供たちが天文学者の授業を受ける貴重な機会となります。今年度はあなたの学校で授業をおこなってみませんか。日本全国どこへでも天文学者をお届けします。
2018年度の実施校を現在募集中です。 申し込み方法など詳しくはふれあい天文学のウェブサイトをご覧ください。
授業例の紹介
理科の授業の一環として、校内のイベントとして、国立天文台はこれまでさまざまな形で「ふれあい天文学」を実施してきました。その中から2017年度の授業を2件ご紹介します。
授業タイトル:ふれあい天文学
学校:青森県八戸市立長者小学校
講師:大石雅寿(天文データセンター)
実施日:2017年12月14日
青森県八戸市立長者小学校の5年生67名を対象に授業を行いました。私は八戸市の出身で、小中学校の同級生が長者小学校校長を務めているという縁で、懐かしさを感じながらの授業となりました。事前に長者小学校の担当教諭の方と相談しながら決めた授業内容の範囲は広く、4年生で習う星座の復習、宇宙の広さを実感すること、地球型系外惑星の話題、そして、天文学者の1日についても触れることにしました。

宇宙の広さを体験するために国立天文台製のソフトMitakaを用いました。天の川銀河の形が見えてくると子供達からは大きな歓声が上がり、先生方もビックリするほどでした。系外惑星の話題では、当然、「宇宙に生命がいるのか」という質問が出ました。最新の研究最前線の様子を話すと児童達は目をキラキラ輝かせていました。最後に天文学者がどういう仕事をしているかを紹介したところ、後の感想文で一人の子が「天文学者になりたい」と書いてくれました。予想以上に天文関係の知識を持っている児童が多く、授業中に出した天文クイズに正解する児童が多数いました。ダークマターに関する質問が出たのにはたいへん驚きました。
八戸は夜空が暗く天の川をみんなが見ていると思いましたが、意外と見たことがない児童が多かったので「時々、お父さんやお母さんと一緒に夜空を見てね」とお願いしてきました。こうした親子のふれあいを通じて宇宙への関心が高まってくれることを願っています。


授業タイトル:宇宙の姿
学校:三鷹市立大沢台小学校
講師:松田有一(チリ観測所)
実施日:2017年9月7日
「宇宙の姿」というタイトルで体育館で授業を行いました。まずはウォーミングアップとして負けた方は体育館を走るという罰ゲーム付きで生徒達とどちらが大きな声で挨拶ができるかの勝負(結果は2勝2敗)。それから、Mitakaを鑑賞しながら、地球、月、太陽、銀河、ブラックホールの話をして、すばる、アルマ望遠鏡の紹介もしました。宇宙の調べ方を体験しようということでドッチボールをやりました。ボールを投げるのは星役、ボールを避けるのは宇宙空間役、ボールを受け取るのは天文学者役です。さらに、宇宙の力(引力)を体験するために、二人一組で手を繋いでもっと早くと言いながら目が回るまでひたすら回ってもらいました。終わりの挨拶の時には生徒たちが自分の言葉で授業内容をとても良く理解したことが伝わる感想を述べくれ、その感性、理解力、想像力の豊かさに感激しました。忙しい合間を縫って準備をしてくれた学校の先生と一緒に楽しんでくれた生徒たちに感謝です。



2017年度の授業の報告
- 父島でふれあい天文学(小笠原報告その2)(2018年2月19日 TMT推進室)
- 母島でふれあい天文学(小笠原報告その1)(2018年2月13日 TMT推進室)
- ふれあい天文学 in 向日市(2018年1月22日 RISE)
- ますます「ふれあい天文学」(2017年12月25日 RISE)
- 発明・発見教室とふれあい天文学のコラボ(2017年12月25日 TMT推進室)
- 八丈島でふれあい天文学(2017年12月1日 TMT推進室)
- 大分市立碩田学園でふれあい天文学(2017年11月24日 TMT推進室)
- 熊本県・苓北町でふれあい天文学(2017年10月27日 TMT推進室)
実施概要
- 対象
- 全国の小学校(4年生以上)、中学校
- 授業時間
- 45分~100分(1〜2コマ)程度
- 内容
- 天文学に関わる授業と質疑。詳しい授業内容は、学校と講師と相談の上決定
- 実施期間
- 2018年10月から2019年2月の間で、学校と講師と相談の上決定
- 応募締切
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郵送:2018年5月31日(木曜日)当日消印有効
FAX・電子メール:2018年5月31日(木曜日)必着
- 注意事項
- 応募多数の場合は過去の実績回数、日程、地域、志望動機を考慮の上実施校を決定します。
この事業は「天文学振興募金」の支援を受けており、実施校の負担はありません。
「ふれあい天文学」ご支援のお願い
「ふれあい天文学」は、国立天文台の「天文学振興募金」による事業の一環として実施されており、皆様のご支援によって成り立っています。天文学者が天文学の魅力を後世へ伝える取り組みを今後も継続していくために、皆様のご寄附をお待ちしております。寄附の詳細については「天文学振興募金」のページをご参照ください。