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国立天文台をIZAKAYAでアピール-米国AAAS年次大会出展における工夫-
研究組織の国際化が求められている昨今ですが、国立天文台は海外では知名度が低く、あまり知られていません。そこで、海外での国立天文台の知名度を上げるための取り組みとして、海外のイベントでブース出展を行っています。
2019年2月14日から17日にアメリカ科学振興協会(AAAS)年次大会が米国ワシントンD.C.で開催されました。AAASは有名な科学雑誌「サイエンス」の出版元として知られている世界最大級の学術団体です。今回は国立天文台から2名が参加し、ブース出展を行いました。国内の8つの大学・研究機関・日本学術振興会との合同での出展です。
今回の海外出展では、できるだけ多くの海外の人を呼び込むため、出展テーマを「IZAKAYA: Japanese Science Pub(居酒屋)」とし、インパクトがあるブースを目指しました。ブースのデザインもテーマに合わせて日本の居酒屋風です。鶴、鯉(こい)、日本酒の瓶、おちょこをあしらい、そして「NAOJ」と記載した提灯(ちょうちん)を取り付けました。また、ブースで配布するチラシも居酒屋のメニュー風とし、料理の代わりに各研究組織の研究紹介メニューを注文できるようにしました。これらの工夫は来場者の評判がよかったです。
国立天文台のブースにはメディア、サイエンスコミュニケーター、子どもたちとその家族、研究者、学生など多くの方が訪れました。取材に来たメディアには、最新の国立天文台の研究メニューの紹介だけでなく、最新プレスリリースの配布、情報配信サービスの紹介などを行い、時間をかけて国立天文台の宣伝を行います。そして、サイエンスコミュニケーターや子どもたちにはMitaka(注)の実演、学生には国立天文台の研究内容の紹介、研究者には採用情報の紹介など、来場者に合わせた広報を行いました。ブースの配置は奥の方で、決して恵まれてはいなかったのですが、NASAのブースの近くだったこととブースのデザインが良かったおかげで、最後まで盛況でした。
今後も、海外での国立天文台の知名度が上がるように、来場者に合わせたインパクトのある広報活動を積極的に行っていきたいと思います。
文:都築寛子(天文情報センター)