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2025年4月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

2025年4月の星空情報です。

冬の夜空をにぎわせていた明るい星々も、宵の空へと移ってきました。空の高いところで目を引いてきた木星、火星も、西の空に大きく傾いていきます。

4月の満月は、2025年のなかでは地球から最も遠く離れた満月になります。眺めただけでは気づきにくいですが、見かけの大きさが今年最も小さい満月です。地球の周りを公転する月の軌道は、楕円(だえん)形。しかも、太陽や地球の重力によってその形は変わります。そのため、地球と月との距離は常に変化しているのです。

早春まで夕方に見えていた土星と金星が、今度は夜明け前に現れます。25日には、細い月と三角形を作るように集まり、東の空に昇ってきます。ただし日の出1時間前の時点で地平線から10度という低空なので、見晴らしのいい場所が必要でしょう。

上旬に木星、火星の近くを通り過ぎた月は、約ひと月で地球の周りを公転し、月末から5月はじめにかけて、再び二つの惑星と会合します。

4月の月の暦

5日:上弦 13日:満月 21日:下弦 28日:新月

ワンポイント・アドバイス(月の運動)

月が明るい惑星の近くに見えると、目を引いて話題になることがあります。4月初頭の宵の空で、西に傾いた木星と細い月が並ぶ様子が目に留まるでしょう。最も近づくのは3日。月は日々東へ位置を変え、5日頃には南西の高いところにある火星の近くを通過します。この月は、4月末(30日から5月1日)に再び木星の近くに戻ってきます。

月は、約27.3日(恒星月:恒星の配置に対して同じ位置に戻るまでの周期)で地球の周りを公転しているのです。月の軌道は楕円形で、地球はおよそその焦点に位置しています。さらに、太陽の重力なども受けて軌道の形が常に変化しているため、月と地球の距離(天体の中心間で測る「地心距離」)は、時々刻々変化しています。そのため、一年の中で見られる満月の大きさも、実は毎回少しずつ異なっているのです。

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