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2024年4月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

2024年4月の星空情報です。

これまで一番星として、西の空で明るく目を引いてきた木星も、高度がかなり低くなり、間もなく夕空から姿を消していきます。10日には、とても細い月が近くに現れます。

翌11日には、月は木星の上側に移動し、すばる(プレアデス星団)に近づいて見えます。細い三日月なので、まぶしすぎることもなく楽しめるでしょう。

空が澄んでいたら、木星より低いところに 双眼鏡やカメラを向けてみましょう。ぼんやりと“しみ”のような光が見えるかもしれません。現在明るさを増しているポン・ブルックス彗星(すいせい)は、日本からは4月中旬まで観察できます。

北東の空には、春を告げる「北斗七星」が昇っています。柄杓の「柄」の端から2番目の星ミザールは、肉眼で見える伴星アルコルを持つことで有名な二重星です。

4月の月の暦

2日:下弦 9日:新月 16日:上弦 24日:満月

ワンポイント・アドバイス(12P/Pons-Brooks)

約71年の周期で公転するポン・ブルックス彗星(注) が太陽に近づいており、4月中旬まで観察のチャンスとなっています。近日点を通過(太陽に最も接近)するのは4月21日で、その頃に彗星の明るさはピークを迎え約4等級の明るさとなることが予想されています。彗星は拡散状の天体のため、同じ等級の恒星に比べてずっと淡く見えます。さらに、薄明が終わりに近づき見え始める頃には、彗星の高度が西の地平線近くまで下がっているため、空の明るさや低空のもやの影響を受け、明るさから受ける印象ほど見やすいとは言えないかもしれません 。それでも、貴重な機会ではありますので、双眼鏡などを利用して探してみるのもよいでしょう。適切に設定したカメラで撮影すると、その姿を写すことはできそうです。

  • (注)12P/Pons-Brooksの名称は、発見者の人名に由来します(Jean=Louis Pons(フランス)及びWilliam Robert Brooks(アメリカ))。発音は言語により変わることがあり、カタカナでの表記には「ポンス・ブルックス彗星」などの揺らぎがあります。

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