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国立天文台のサンドキャッスルTRPGの日本語版を公開

—もう、一人じゃないよ—
ファンタジー冒険アニメのせりふみたいですけど、これが本当の世界の話です。一年前の2023年1月31日に、テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム『Sandcastle TRPG』英語版を公開しました。そして、今、このゲームの日本語版をやっと公開しました。日本語版の『サンドキャッスルTRPG』はホームページからダウンロードできます(体験版ではなく完全版で、しかも無料!)。
サンドキャッスルTRPG

サンドキャッスルはサイエンス広報の目的で作られたファンタジー冒険のテーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム(TRPG)です。世界で初めて国立の研究機関で作られたTRPGです。
英語版が公開された際に、ゲームの開発についてGALAXY CRUISEのNEWS記事 を書かせてもらいました。
その時のストレスについて、書いたのは:
「その後、大忙しの2年間が続きました。通常の業務のあらゆる隙間にゲーム開発を無理やり詰め込みました。ゲーム仲間の同僚にはテストプレイや、ゲームの問題点の発見で大いに(!)助けてもらいましたが、最初のコンセプトから最後のレイアウトと校正まで、実際の作業のすべては私の肩にかかっていました。ゲームが本当に完成するかどうか、ずっと不安で、全部がダメになりそうな時もありました。」
今、日本語版の公開ができたから、この間の一年間を振り返ってみると、日本語版の開発物語は英語版のそれと違うと気づきました。英語版は一人の冒険者が無理な目標を乗り越えた物語で、日本語版は冒険者のパーティーが力を合わせて成功できた物語です。
英語の公開からすぐに味方が現れました。SNSで、『Sandcastle TRPG』が国立天文台の最もホットな話題になりました。
SNSやYouTubeでSandcastleのことを広げた皆様に、ありがとうございます。おかげさまで、注目を集めました。反応が圧倒的にポジティブでしたが、質問もたくさんありました。特に「なぜ、国立の研究機関がTRPGを公開したか」という質問です。この質問に答えるように、VTuberの星見まどかさんが私にインタビューを行ってくださいました。
星見さんがサンドキャッスルの仲間に入って、今でも手伝っています。
その頃、和訳のため、日本語のネイティブのボランティア募集を出しました。私の日本語は、通じないわけではないけど、めちゃくちゃですから。募集の返事で集まった和訳チームは大幅に期待を超えました。沢山の人に分けると、和訳はそんなに大きな量ではありません。人数だけではなくて、経歴も想像を超えました。プロのゲームを訳した人もいるし、大学院生もいるし。ここで、皆のお名前をリストアップしませんが、ゲームのクレジットに書かれています。皆がとっても大切な仲間です。和訳中にけんかもありました。本気でやれば、ある程度のけんかが避けられませんが、皆が丁寧に反対の意見を聞きます。リードである私が負けたけんかもあります。このやりとりで、よりいい日本語原稿ができました。
サンドキャッスルの知名度が高まると、国立天文台の中にも興味を持つ人が増えました。
2023年の三鷹キャンパス特別公開(三鷹・星と宇宙の日2023)で、サンドキャッスルの未完成の日本語版について展示ブースと体験プレイを行うことになりました。展示ブースと体験プレイの両方は一人では無理ですけど、同僚が手伝ってくれました。当日の作業だけではなくて、準備も手伝ってくれました。私の最初の計画が正直に甘かったですが、同僚がもっと丁寧にやるべきところをいっぱい教えてくれて、皆でよりいい体験プレイができました。準備が思ったより大変でしたが、当日に、成果を集めました。開始から終了まで、ほとんどノンストップ、お客さんがサンドキャッスルの体験を楽しそうに遊んでくれました。

英語版はほぼ公開するまで、国立天文台内でも秘密でした。他の人に見せられなくて、手伝いを頼めなかったです。レイアウトなど、最後まで一人でやるしかありませんでした。一方で、日本語版には国立天文台出版室が依頼した以上に全力で協力しています。よりきれいな出版物を作りました。
『サンドキャッスルTRPG』はもう私一人のゲームではありません。皆のゲームです。私より、周りの人の方がサンドキャッスルを信じている気がするときもあります。そして、日本国民の皆のため、日本語版をホームページで公開できました。ぜひ、皆のサンドキャッスで遊んでみてください。
そして、サンドキャッスルの新作の冒険シナリオを開発中です。
—もう、一人じゃないよ。今まで、色々な人が世話したり、手伝ったり、応援したり、助けたり。ここまで来たのは皆の力で。この背中で皆の夢を持ちながら。だから、だから、最後まで絶対に負けない!!!—

サンドキャッスルTRPG
