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2023年11月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

11月の星空情報です。

冬に向かうこの季節、早々に暮れていく宵の空を彩る、二つの明るい惑星があります。南東の空で際立って輝く木星と、南西の空で穏やかに輝く土星です。月明かりにも負けず、目を引くでしょう。

3日に「衝」となりひときわ明るい木星は、観察の好シーズンを迎えます。双眼鏡でも、四つ並んだ「ガリレオ衛星」が見られます。望遠鏡で拡大すると、淡い縞模様(しまもよう)も見えるでしょう。

もう一つの惑星がひっそりと見頃を迎えています。14日には天王星も「衝」となります。こちらは、星図などで位置を調べ、双眼鏡などを使って探してみましょう。

暗く澄んだ秋の夜には、アンドロメダ銀河も肉眼で見えるかもしれません。私たちの天の川銀河の外まで広がっている、奥深い空を見上げてみましょう。

11月の月の暦

5日:下弦 13日:新月 20日:上弦 27日:満月

ワンポイント・アドバイス

日の入り後の空で、約マイナス3等という圧倒的な輝きで存在感を放っている木星。11月3日に「衝」となり、最も観察しやすいシーズンを迎えています。

「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽と正反対を通過する瞬間です。衝の頃の惑星は真夜中に南中し、一晩中空に見える上、地球との距離が近く見かけの大きさ(視直径(注))が大きいなど、観察しやすい条件になっています。

この機会に、双眼鏡や望遠鏡などで観察してみたい天体です。明るい木星本体から少し離れて直線状に並ぶ四つの衛星「ガリレオ衛星」は、双眼鏡でも見ることができます。木星の周りを公転しているため、一晩の間にも互いの位置関係が変わる様子が観察できます。より高倍率の望遠鏡で観察すると、木星の表面に特徴的な淡い縞模様も見られるでしょう。

  • (注)天球上における天体の見かけの直径。角度(単位は度、分、秒)で表される。

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