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2023年8月の星空情報
8月の星空情報です。
三大流星群の一つ「ペルセウス座流星群」が夏の夜空を彩ります。13日、14日を中心に、夜明け近くが最も見頃となるでしょう。月明かりの影響も少なく、好条件で見られそうです。
かつての七夕にちなんだ「伝統的七夕」の日。今年は8月22日です。太陰太陽暦の7日の日暮れには、上弦前の舟型の月が必ず見えていました。夜が更けて月が沈むと、七夕伝説には欠かせない天の川が、頭上にかかっています。
太陽の運行に基づく現在の暦では、ひと月に二度の満月が訪れることがあります。
31日は、2023年で地球から最も近い位置で起こる満月。
楕円(だえん)軌道を公転する月までの距離は、刻々と変わっているのです。
8月の月の暦
2日:満月 8日:下弦 16日:新月 24日:上弦 31日:満月
※今月は2回の満月があります。31日には、今年最も地球から近い位置で満月になります。
ワンポイント・アドバイス
8月には、2日と31日が満月となります。ひと月の間に満月が二度訪れることは、2、3年毎に起こるため、「滅多にない」と言えるほど珍しいわけではありませんが、日本では現行の太陽暦が施行されてから、こうしたことが起こるようになりました。
明治5年まで日本で用いられていた暦は、月の朔望に基づいて日付を定める太陰太陽暦(陰暦)でした。新月から数え始める一か月の中で、満月は必ず中頃の十五日付近に当たりましたが、太陽暦では月の朔望と暦月の区切りの関係が解消されたため、朔望周期29.5日よりも日数の多い月では、月初に満月になると、満ち欠けが一周して月末に二度目の満月が起こることもあるのです。
「夏は夜。月のころはさらなり(夏は夜がいい。満月のころは言うまでもなく)」。そうしたためた清少納言の時代、ひと月に二度の満月が起こることはあり得ませんでした。好ましい月夜が二度も訪れたら、歴史に残る才人は喜んだでしょうか。案外、無粋だとすげなく書き記していたかもしれません。
そもそも、現在の8月は上旬に立秋を迎えて古い暦の区分では秋の始まりの季節となります。「秋は夕暮れ」、そろそろ夕日の傾くのを早く感じるようになる頃です。
なお、この8月31日は、月と地球の距離(天体の中心間の距離)が2023年の中で最も近い位置で満月の瞬間(日本では日中の10時36分)を迎えます。ただし、8月2日の満月の瞬間も、それよりわずかに200キロメートルほど遠いにすぎません。私たち自身と月との間の距離は、地球上のどの位置で見るかによってこれよりも大きく変わります。物理現象として、何か特別な状況になるわけでもありませんし、あくまでも計算上の数値の比較ですが、様々な話題で関心をかき立てる月を見上げて、夏の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか。