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2023年2月の星空情報

2月の星空情報です。

4日に「立春」となり、春の兆しが見える頃ですが、夜のはじめの空で主役を務めるのは、まだ冬の星座。多くの1等星を頼りに、星座を探してみましょう。天頂付近では、2022年12月に地球と接近した赤い火星が、まだ目を引きます。

南の空に見えるオリオン座の中、ベルトに当たる「三つ星」の下側に、ぼんやりとにじんだように見える部分があります。「オリオン大星雲(M42)」です。恒星の材料になるガスが集まっているオリオン座の領域では、活発な星形成が起こっています。

日の入り後の西の空には、金星と木星が輝いています。下旬には、この二つの明るい惑星に細い月も近づき、夕暮れの空を彩ります。

2月の月の暦

6日:満月 14日:下弦 20日:新月 27日:上弦
(6日の満月は、2023年で最も遠い満月)

ワンポイント・アドバイス

2月、宵の南の空に昇っているオリオン座。冬の大三角の一隅を成す赤いベテルギウスと、対照的に白いリゲル。二つの1等星の真ん中付近で、三つの2等星が横に並んだ「三つ星」がシンボルとなって、とても見つけやすい星座です。

この三つ星の下で、縦に連なるやや暗めの星は「小三つ星(こみつぼし)」と呼ばれます。空が暗ければ、その中央に、ぼんやりと光がにじんでいるように見えます。双眼鏡で見るとはっきり分かるでしょう。写真を撮ると、蝶(ちょう)や鳥が羽を広げたような形に、赤い光が広がっています。これが「オリオン大星雲(M42)」です。

オリオン座の領域には、恒星の材料となる膨大な量のガスや塵(ちり)の集まり(巨大分子雲)が広がっていることが電波観測で分かっています。その中で、現在とても活発に新しい恒星を誕生させている場所(星形成領域)の一つが、オリオン大星雲なのです。望遠鏡で拡大すると、星雲の内部でぎゅっと集まっている四つの星が見えます。「トラペジウム」と呼ばれるこの星のグループは、同じ分子雲の中から誕生してきた若い恒星です。

「ほしぞら情報」では、オリオン大星雲の観察ガイドだけでなく、天文学者が今も調査を続けているオリオン大星雲の研究成果へのリンクも紹介しています。ぜひご覧ください。

関連リンク

文:内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

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