国立天文台 メールニュース
No.128(2014年2月25日発行)東アジア・太平洋地域の星と宇宙の神話・伝説『アジアの星物語』出版、ほか
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国立天文台 メールニュース No.128 (2014年2月25日発行)
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もくじ
■東アジア・太平洋地域の星と宇宙の神話・伝説『アジアの星物語』出版
■「電波天文観測実習」参加者募集[野辺山]
■日本天文学会公開講演会「人は宇宙に何をみてきたのか」
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■東アジア・太平洋地域の星と宇宙の神話・伝説『アジアの星物語』出版
世界各地には、古来より伝わる太陽や月、星にまつわる神話や伝説が数多く
存在し、それぞれの民族の祖先の宇宙観や、豊かな文化を伝えるものの一つに
なっています。私たちが暮らすアジア地域、そして日本にも、星や月、天の川
などにまつわる豊かな伝説、民話、歌謡などが古来より伝わっています。しか
し、現在、学校やプラネタリウムで紹介される星の神話・伝説は、ほとんどが
ギリシャ神話やローマ神話に基づくもので、それ以外の神話・伝説は必ずしも
多くの人に知られてはいません。
アジア各地に伝わる星の神話・伝説を各国の協力でまとめ、それを育んだ豊
かな自然と文化と共に、アジアをはじめ世界に広め共有することを目指した
「アジアの星プロジェクト」 (代表:海部宣男 国立天文台名誉教授) が、「世
界天文年2009」 (注) を機にスタートしました。
このたびその第一のステップとして、日本語版の『アジアの星物語』が万葉
舎より刊行されました。この本に収められた神話・伝説は、東アジアと太平洋
諸島の13の国・地域から集められ選ばれた、68話にも上ります。
英語版は、2015年夏までの刊行を目指して準備が進められています。さらに、
アジア各国語版については、今後、英語版最終原稿を元に翻訳・出版される予
定です。
注:ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け天体観測を行った1609年
から400年になるのを記念して、国際連合、ユネスコ (国連教育科学文化
機関)、国際天文学連合が定めた国際年。148の国と地域が参加した。
▽「アジアの星の神話・伝説」プロジェクト:アジアの星物語
(世界天文年2009)
http://www.astronomy2009.jp/ja/project/asian/publication/book.html
▽万葉舎
http://manyohsha.co.jp/
■「電波天文観測実習」参加者募集[野辺山]
国立天文台野辺山宇宙電波観測所では、45メートル電波望遠鏡を使った「電
波天文観測実習」の参加者を募集しています。
この実習のねらいは、天文学に関心をもつ大学生の皆さんに、研究の最前線
で利用されている45メートル電波望遠鏡を使った観測を通じて、実際の電波天
文学に触れていただくことです。参加者には、ふだん研究者が行っている、望
遠鏡の操作、データ取得・解析、結果のまとめなどを実習していただきます。
特に専門知識は必要ありませんが、大学で物理実験を経験していることが望ま
しいです。関心を持つ多くの皆様のご応募をお待ちしています。
なお、45メートル電波望遠鏡の保守作業の関係で、例年よりも実施時期が早
くなっていますのでご注意ください。
日程:2014年6月2日 (月) より6月6日 (金) まで
場所:国立天文台野辺山宇宙電波観測所
対象:大学の理科系学部 (教育学部の理科系も含む) に属する学生
応募締め切り:2014年4月25日 (金) 必着
応募方法等の詳細は、ウェブサイトを参照のこと
▽電波天文観測実習 (国立天文台野辺山)
http://www.nro.nao.ac.jp/~nro45mrt/misc/45school.html
■日本天文学会公開講演会「人は宇宙に何をみてきたのか」
日本天文学会は、来る3月、国際基督教大学 (東京都三鷹市) にて一般向け
の公開講演会を開催します。これは、同地で開催する2014年春季年会に合わせ
て行うものです。
今回の公開講演会では、人間はどのように宇宙と向き合い、宇宙から何を見
出そうとしてきたかを考えます。そして、宇宙に向き合ういにしえの人々のま
なざし、現代の私たちのまなざし、そして未来へ向けてのまなざし、という3つ
の観点から3名の講師が講演を行います。時空を超えて人間と宇宙との関わりに
思いを巡らせるひとときをお過ごしください。
多くの皆様のご来場をお待ちしています。
開催概要
テーマ:人は宇宙に何をみてきたのか
日時:2014年3月23日 (日) 13:00-16:50 (開場12:30)
会場:国際基督教大学 ディッフェンドルファー記念館 オーディトリアム
(東京都三鷹市大沢3-10-2)
アクセス:http://www.icu.ac.jp/access.html (国際基督教大学)
主催:日本天文学会
共催:国際基督教大学、自然科学研究機構 国立天文台
参加費:無料
参加方法など:事前申し込み不要、定員400名 (当日先着順)
内容:
講演1 古の人々の眼差し―天文学史にみる人間の宇宙観の変遷
講師:村上陽一郎 (東洋英和女学院大学学長/東京大学名誉教授/
国際基督教大学名誉教授)
講演2 現代の私たちの眼差し
―最先端の宇宙論研究から考える宇宙における私たちの存在
講師:村山 斉 (東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長)
講演3 未来へ向けての眼差し
―次世代の観測装置は宇宙に何を求めているのか
講師:青木和光 (自然科学研究機構 国立天文台 TMT推進室 准教授)
▽日本天文学会2014年春季年会 公開講演会 (国際基督教大学)
http://web.icu.ac.jp/asj2014spr/public/public-lecture/
▽日本天文学会
http://www.asj.or.jp/
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2014年2月25日
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