ほしぞら情報2024年9月

土星が見頃(2024年9月)

国立天文台50センチ公開望遠鏡で2023年8月24日に撮影した土星
画像:中解像度(2000 x 1100)

土星が衝(9月8日)

環(わ)のある惑星として人気のある土星が、9月8日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎えます。衝とは、太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。衝の頃の土星は、日の入りの頃に東の空から昇って真夜中に南中し、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中見ることができます。

衝の頃の土星は、0.6等の明るさがあります。秋の星座の領域にある土星は、周囲に明るい星も少なく、見つけやすいため、ぜひ夜空に探してみてください。

土星の環の傾きの変化
画像:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

土星の環は約15年周期で土星は公転軌道面に対して傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、地球から見た環の傾きは約15年の周期で変化します。立派に見える土星の環ですが、実はたいへん薄いことがわかっています。来年、2025年には環を真横から見ることになり、環がほとんど見えなくなります。今年も環の傾きが小さく、環はたいへん細く見えています。

土星の環は、小さな望遠鏡でも確認でき、かわいらしい姿を楽しめます。機会があればぜひ、望遠鏡で眺めてみてください。地域の天文台や科学館などの天体観望会に行くのもよいでしょう。

(参照)暦計算室ウェブサイト 今日のほしぞら 」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。「こよみ用語解説 」の「天象」の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。

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