2022年 地球から最も近い満月(2022年7月)

2022年 満月の距離のちがい
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1月18日の満月は、2022年で地球から最も遠い位置で起きた満月でした。一方、7月14日の未明には2022年中で地球から最も近い位置で満月になります。

月は7月13日18時6分に近地点(注1)を通過し、日付が変わって14日の3時38分に満月(望)となります。満月のときの地心距離(注2)は約35万7400キロメートル、月の視直径(注3)は約33分25秒角です。

2022年 月の地心距離の変化と満月
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満月までの距離はなぜ変わる

地球の周りを公転する月の軌道は楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。さらに、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化しています。そのため、満月や新月のときの距離は、上の図のように毎回異なります。地球に最も近い満月は、地球から最も遠い満月に比べて視直径が約12パーセント大きく、光っている面積が約26パーセント広い(その分明るい)程度の違いがあります。とはいえ、実際の夜空に月を二つ並べて比較することはできないため、夜空の月を眺めただけで大きさの変化に気づくのは難しいでしょう。それぞれの日に、同じカメラ、同じ画角のレンズで撮影した写真を比較してみるとよいでしょう。

  • (注1)近地点・遠地点:1公転の間で月が地球に最も近づく点を「近地点」、地球から最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。 本文へ戻る
  • (注2)地心距離:地球の中心と天体の中心(この場合は月の中心)の間の距離。実際には私たちは地表から月を見ているため、地心距離が同じであれば、頭の真上近くに見える月は地平線近くに見える月よりも、地球の半径分(約6400キロメートル)私たちに近いことになります。 本文へ戻る
  • (注3)視直径:天体の見かけの大きさで、角度で表します。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。 本文へ戻る

(備考)月の距離に応じた見かけの大きさの変化は以前よりよく知られていたことですが、最近では地球に近い条件で起きる満月は特に「スーパームーン」などと称されています。このような話題をきっかけに月や夜空を眺めてみる方もいらっしゃるでしょう。月を見上げることをきっかけに、宇宙の面白さに目を向けていただきたいと思います。
国立天文台「よくある質問 質問2-7)「スーパームーン」ってなに?」

(参照)暦計算室ウェブサイトこよみの計算 」では、太陽や月、惑星の出入りの時刻や方位などを調べることができます。「暦象年表」の「月」の項では、月の地心座標や視半径を詳しく調べることもできます。

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