2022年 地球から最も遠い満月(2022年1月)
地球から遠い満月、近い満月はなぜ起こる
昨年(2021年)の地球から最も遠い満月は12月19日でしたが、その約1カ月後となる1月18日の満月は、2022年で地球から最も遠い満月になります。
月は1月14日18時26分に遠地点(注1)を通過し、18日の8時48分に満月となります。満月のときの地心距離(注2)は約40万1000キロメートル、月の視直径(注3)は約29分47秒角です。今回は月の遠地点通過から数日たってからの満月となり、2021年に最も地球から遠かった満月(2021年12月19日、地心距離約40万6000キロメートル、視直径29分26秒角)よりもわずかに地球に近い位置となります(約5000キロメートルという、地球の半径にも満たない違いです)。
地球の周りを公転する月の軌道は楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。さらに、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化しています。そのため、満月や新月のときの距離は、上の図のように毎回異なります。
今年最も地球に近い満月は、7月14日です。今回の満月は、7月14日の満月に比べて視直径が約11パーセント小さい(面積は約21パーセント少ない)のですが、実際の夜空に月を二つ並べて比較することはできないため、夜空の月を眺めただけで大きさの変化に気づくのは難しいでしょう。
最近では大きく見える満月に対して「スーパームーン」などの名称もよく聞くようになりました。名称をきっかけに興味を持ち、月を、そして夜空を眺めてみたという方もいらっしゃるでしょう。そこからもう一歩踏み込んで、どうしてこのようなことが起こるのかを考えたり、宇宙の面白さに目を向けたりしてみてください。
- (注1)近地点・遠地点:1公転の間で月が地球に最も近づく点を「近地点」地球から最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。 本文へ戻る
- (注2)地心距離:地球の中心と天体の中心(この場合は月の中心)の間の距離。実際には私たちは地表から月を見ているため、地心距離が同じであれば、頭の真上近くに見える月は地平線近くに見える月よりも、地球の半径分(約6400キロメートル)私たちに近いことになります。 本文へ戻る
- (注3)視直径:天体の見かけの大きさで、角度で表します。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。 本文へ戻る
参照:
- 暦計算室ウェブサイト:「月食各地予報」 国立天文台「よくある質問 質問2-7)「スーパームーン」ってなに?」